柏原芳恵「夢模様」

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はい!私の大好きだったよしよしの
7枚目のオリジナルアルバムです!

前作「春なのに」が全曲中島みゆきのカバーで
それが予想以上にハマったこともあって
今回のアルバムはオフコースの松尾一彦さんだったり
井上陽水さん、南こうせつさん、
伊勢正三さん、西島三重子さん
藤田久美子さん。。。なんと全員が
実力派のシンガーソングライターで
固めてきました!
いやこれ相当豪華なメンバーなのですが
当時のニューミュージック(死語?)を
牽引していた方たちですよ…

当然、楽曲のレベルは非常に高く
それによしよしの甘めの声が良く合ってるのです
私はこれで大成功だと思うのですが
ほぼ明るい曲がなく
前作「春なのに」同様
思いが重すぎてちょっと不器用な女性像が
浮かび上がってくるのですが
こういうのがよしよしには合っていると思います。

唯一、少し明るめの曲が
井上陽水さん作曲のB-1(クレジットは田所純一郎名義)
「夏のたった今」だと思いますが
これだってどこか陰のある
いかにも陽水さんらしい少々不思議系の曲です。
他はまさに中秋から晩秋が似合いそうな
哀愁漂う曲ばかりです。
まぁ私がこういうちょっとマイナーキーの曲が
好きだからなおのこと気に入るのですが
このアルバムは他のよしよしのアルバムに比べても
相当聴きこんだほうだと思います。
いや、もちろん好きなシンガーだから
どのアルバムも聴きこむのですが
その中でも「より」という感じです。

A-1の「黄昏通り」のイントロでかなり長めに続く
片思いの相手と話す電話の一人芝居は
ちょっとくどいですが(笑
いったん曲が始まると
オープニングを飾るにふさわしい
美しくも儚いメロディーを歌いあげてくれます
で、A-2、A-3,A-4と「昭和後期のフォークの王道」とも
思える哀愁溢れる曲が続きます。
ここは西島三重子さん、南こうせつさん、伊勢正三さんの
曲なので当然といえば当然ですが…
A面ラストは松尾一彦さん作曲の
壮大なバラードで締めくくります。
個人的にはこれがアルバムのラスト(B面最後)で
いいのではないかというほどの大曲です。

B面のオープニングは先述した
陽水さんの「夏のたった今」で幕が上がります。
これ…思わず何度も繰り返して聴いてしまいます
シングルカットしても結構売れたのではないかと思うのですが…
B-2はこのアルバムが出る直前に出た
シングル「夏模様」のカップリングですが
「夏模様」と同系統の美しいメロディーが
何とも耳あたりの良い曲です、さすが松尾さん作曲

少し話が逸れますが
このアルバムの「夢模様」はシングル「夏模様」に
かけているのだと思いますが
このアルバム…その「夏模様」はおろか
シングルA面曲が1曲も入っていないのです。
これってアイドルとしては珍しいですよねぇ
普通は帯に「大ヒットシングル「※※※※※」収録!とか
書きたくなるところだと思うのですが
それだけシングル曲に頼らなくても
楽曲の聴きごたえは十分!と判断しているのだと思います。
このアルバム、「春なのに」ほどではありませんが
当時のアイドルのアルバムとしては
そこそこのセールスを記録しています。

アルバムに戻りますが
B-4の「夕凪海岸」。。。
伝説のポプコンシンガー藤田久美子さんの作曲です
これもまた文句ナシの名曲です。
この曲のメロディーめちゃめちゃよしよしの声に合っています。
おまけにサビのメロディのキャッチーさと
昭和歌謡ならではの枯れすすき感といい
これもシングルカットしてほしい!と思ってしまう曲です。
ヒサビサに聴いたのですが3回繰り返して聴いてしまいました(笑
で、ラストは「銀河鉄道」
なるほど~こういう風にラストを締めくくるのですね
壮大なバラード曲ではなく
アルバム全体の雰囲気を象徴するような
すこし寂しげなでも歌詞自体は悲しいわけではなくて
これからの新たな旅立ちを歌った内容です。

あぁ~やっぱ昭和後期の曲っていいですねぇ
明るくポップないかにもアイドル曲!ってのもいいですが
こういう全体的に切なさがにじみ出るようなアルバム大好きです!

1983年7月30日リリース

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