VAN HALEN「5150」

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ヴォーカリストがダイヤモンド・デイヴから
サミー・ヘイガーに代わって新生ヴァン・ヘイレンとなって
第一作目のアルバム
サミーをフロントマンとした新・ヴァン・ヘイレンは
それまでのリスナーにも受け入れられ
また、新たなファンをも獲得したと思われます。
デイヴ在籍時には実現できなかった
全米アルバムチャート1位も獲得します。

以前からここでよく書いてはいますが
私は個人的にはデイヴ在籍時のヴァンヘイレンが好きですよ。
ここは一貫して昔からブレません(笑

でも…そりゃ速攻、デイヴのソロアルバムはもちろん買いましたけど…
この新・ヴァンヘイレンのアルバムだって
レンタルでしたがすぐに借りてテープに落として
擦り切れるほど聴きましたよ
なんだかんだ言っても文句ナシにカッコよかったですもの

オープニングの"Good Enough"の頭の
サミーの「HeLLo!Baby!」の掛け声でそりゃもうぶっ飛びましたよ
"Good Enough"は正に生まれ変わったヴァンヘイレンの
オープニングを飾るにふさわしいゴキゲンのナンバーで
エディーの自由過ぎるギタープレイと
より正統派ともいえるサミーのヴォーカルが最高にマッチした名曲です!

その勢いを保ったまま1stシングルともなる
"Why Can't This Be Love"へと流れ込みます
最初にこれ聴いたときに
「あぁ…アルバム内の曲はともかく
シングルはこの路線でいくんだろうなぁ」と納得した曲です
適度にハードロックテイストを残しながら
メロディはキャッチーでエディーのテクニカルなギターも
隠し味的に十分にフューチャーされている…
まぁうまく作るもんだ!と感心しました…(笑
でもこれも文句付けようなくカッコ良いです!

で。次はエディーのハードなギターワークが
十二分に織り混ぜられた"Get Up"
スタインバーガーのトランストレムの特性を
巧く利用したアーミングを織り込んだリフはまさにエディーらしい
オリジナリティ溢れるプレイです!
これは文句なくこれまでのヴァンヘイレンファンも納得の
押しまくったアップテンポのブギ・ナンバーです!
くぅ~個人的にはこの曲、デイヴに歌わせたい!(笑

次は2ndシングルとなる"Dreams"
この曲…私の周りでもこれが好きだって言ってた友達が多かったな…
いや…いいですよ…文句ナシにカッコいいし
何と言ってもメロディが美しいし
…でも…ここまでソフトになると「産業ロック」っぽくて…
もはやヴァンヘイレンではなくてジャーニーでいいのではないかと…
これねぇ…サミーじゃなくてデイヴだったら
適度にワイルド感も出て「Jump」っぽい雰囲気になったかもしれないけど
サミーがヴォーカリストとしては正統派でまた歌唱力も高く
メロディアスに美しく歌い上げちゃうから
なおのことそう思うのですよねぇ
いや、何度もいいますけどめちゃ良い曲ですよ

A面ラストはウォーミーな
美しいギターリフが印象的な
"Summer Nights"
エディーのギターサウンドってこのアルバムから
より耳障りが良い美しい響きになりましたよね
まさに「ウォーム」っていう感じの優しい暖かさですよねぇ
いい音だなぁ…どうしればこんなトーン出るのでしょう…
…少し話が逸れますが…それでも
個人的に一番衝撃的なサウンドだったのは
1stアルバムのエッジの効いた尖りまくった
ディストーションサウンドかな…
私、最初に聴いたヴァンヘイレンは「1984」で
そこから次に1st聴いたのですが
あの1stの刺激的なサウンドには度肝を抜かれました!
今でも青のサウンドが最高だと思っています

B面1曲目はこれまた美しいオーヴァードライブサウンドの
イントロが特徴の"Best of Both Worlds"
これもヴォーカルがサミーならではの曲ですねぇ
まさに「アメリカン!」って印象の良曲です!
こういうタイプの曲をデイブが歌うと
ブルージーな感じに仕上げるのでしょうけど
サミーが歌うと西海岸サウンドに仕上がりますねぇ
やはりヴォーカルが変わると曲調が変わります

B-2はこれまた美しいキーボードサウンドを前面に出した
バラード曲"Love Walks In"
これもサミーがヴォーカルだからこそ出来た曲でしょうね
デイヴだとこういう感じにはなりませんものねぇ
「1984」でいうところの「I'll Wait」的なポジションの曲ですが
仕上がりの方向性が全く異なります
どっちがいいとか悪いという問題ではありませんが
一般的にウケそうなのはやはりこっちかなぁ…
でも個人的にはそういうところが
「産業ロック」っぽくって
ちょっと気に入らないのですが…(苦笑)

B-3はタイトル曲でもある「5150」
この曲のイントロのギタープレイ!めっちゃカッコいいですよねぇ!
さすがエディのギターワークは一味も二味も違います。
テクニカルでメロディアスなソロもエディーの魅力ですが
エディーの真骨頂はリフ・プレイだと思っています。
他のバンドのギターリフってあくまで「伴奏」なのですが
エディーのギターリフってヴォーカルとはまた別の
「旋律」で自由に泳ぎまくっているのですよねー
イントロだけじゃなくてリフプレイ全般が
この曲はずば抜けてカッコ良いです。
この曲聴いていると正直言って
あまりサミーのヴォーカルが耳に入ってきません(笑
それほどギタープレイの存在感がすごいのです!!!

で、アルバムラストは遊び心満載の
"Inside"で締めくくります
ヴァンヘイレンのアルバムラストって
こういう展開で締めくくる傾向が多いですよねぇ
まぁ、「らしく」ていいのではないかと…

というわけでさらにクオリティが上がったのは
間違いないアルバムですが
ちょっと普通のバンドに近くなったかな…
まぁデイヴのエンターテイナー性はマネできるものではないですし。。。
でも間違いなく魅力的で良いアルバムであることは間違いないです!!!

1986年3月24日リリース

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