山下久美子「バスルームから愛をこめて」

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山下久美子さんのデビューアルバム
1980年リリース

タイトル曲でもあるA-1「バスルームから愛をこめて」が
同時発売のデビューシングルですね

山下久美子さんというと
どうしても「赤道小町ドキッ」以降のテクノポップ路線の
イメージが強いですが本来はこのアルバムで展開するような
メロウで切ないフラレ女のバラードですよねぇ
もちろん「赤道小町」のヒット以降の中期の楽曲と
パワーあふれる歌いっぷりも大好きなのですが
この前期の何ともまったりと気だるく歌い上げる
久美子さんの楽曲も好きなのですよねぇ
反対に例のあのギタリストの音楽性は私は合わないので
85年以降のアルバムはちょっとパスかなぁ(苦笑)

アルバム全体としてミディアムテンポあるいは
スローテンポのまったりとした曲が中心で
一杯ひっかけてもの思いにふけりながら
聴き流すのに最適なアルバムです。
デビューシングルの「バスルームから愛をこめて」は
文句ナシに名曲で何ともいえない切なさが染みわたりますが
アルバムを通してここで久美子さんが演じているのは
酒浸りの水商売っぽい幸薄い女性で
その雰囲気の良く出たA-2「次の駅に着いたら」とか
続くA-3「貿易風に流されて」あたりが
いかにも80年代初頭っぽい
歌謡曲チックなニューミュージックで
良い雰囲気出しているのですよねぇ~
いやぁこれは酒が進むわー(笑
特にA-3はシングルでも十分いけるのでは???と思うほどの良曲です!
A面は全体的にいい意味でゆるーいメロウな雰囲気でまとめてあります

B面に入ると少々雰囲気も変わり
B-1「ジョニィ・ブルース」で大人っぽい渋さも出し
適度にビートも効いてきて少しテンションアップです。
で、B-2「酒とバラ」でさらにテンポアップし
一気に気持ち的にも盛り上がります!
この曲もいいですねぇ~これもこの時代ならではですねぇ
このスパニッシュな微妙なバランス感が何ともたまりません!
そして続くB-3「一枚だけのビリィ・ジョエル」も
テンポは少しダウンしますがこれも何といえない切ない歌詞を
少し明るめに歌い上げる久美子さんのヴォーカルがよくハマっています。

全体的にはまったりした曲が多くて
最初に聴いた印象だと地味目な感じを持ってしまうのですが
これが何度も聴きこんでいくと何ともいい味出してくるのですよねぇ
今回、これを書くためにヒサビサにレコード引っ張り出して
じっくり聴きましたがやっぱり文句ナシにいいですね!

この時代ならではの空気感が感じられて
リアル世代な私としては何とも切なくなってしまいます(笑

1980年6月25日リリース

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