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山下久美子「バスルームから愛をこめて」
山下久美子さんのデビューアルバム 1980年リリース タイトル曲でもあるA-1「バスルームから愛をこめて」が 同時発売のデビューシングルですね 山下久美子さんというと どうしても「赤道小町ドキッ」以降のテクノポップ路線の イメージが強いですが本来はこのアルバムで展開するような メロウで切ないフラレ女のバラードですよねぇ もちろん「赤道小町」のヒット以降の中期の楽曲と パワーあふれる歌いっぷりも大好きなのですが この前期の何ともまったりと気だるく歌い上げる 久美子さんの楽曲も好きなのですよねぇ 反対に例のあのギタリストの音楽性は私は合わないので 85年以降のアルバムはちょっとパスかなぁ(苦笑) アルバム全体としてミディアムテンポあるいは スローテンポのまったりとした曲が中心で 一杯ひっかけてもの思いにふけりながら 聴き流すのに最適なアルバムです。 デビューシングルの「バスルームから愛をこめて」は 文句ナシに名曲で何ともいえない切なさが染みわたりますが アルバムを通してここで久美子さんが演じているのは 酒浸りの水商売っぽい幸薄い女性で その雰囲気の良く出たA-2「次の駅に着いたら」とか 続くA-3「貿易風に流されて」あたりが いかにも80年代初頭っぽい 歌謡曲チックなニューミュージックで 良い雰囲気出しているのですよねぇ~ いやぁこれは酒が進むわー(笑 特にA-3はシングルでも十分いけるのでは???と思うほどの良曲です! A面は全体的にいい意味でゆるーいメロウな雰囲気でまとめてあります B面に入ると少々雰囲気も変わり B-1「ジョニィ・ブルース」で大人っぽい渋さも出し 適度にビートも効いてきて少しテンションアップです。 で、B-2「酒とバラ」でさらにテンポアップし 一気に気持ち的にも盛り上がります! この曲もいいですねぇ~これもこの時代ならではですねぇ このスパニッシュな微妙なバランス感が何ともたまりません! そして続くB-3「一枚だけのビリィ・ジョエル」も テンポは少しダウンしますがこれも何といえない切ない歌詞を 少し明るめに歌い上げる久美子さんのヴォーカルがよくハマっています。 全体的にはまったりした曲が多くて 最初に聴いた印象だと地味目な感じを持ってしまうのですが これが何度も聴きこんでいくと何ともいい味出してくるのですよねぇ 今回、これを書くためにヒサビサにレコード引っ張り出して じっくり聴きましたがやっぱり文句ナシにいいですね! この時代ならではの空気感が感じられて リアル世代な私としては何とも切なくなってしまいます(笑 1980年6月25日リリース
昭和ニューミュージック 1980/06/25さこだ@趣味&日常
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石川優子「YUKO LOVE FEELING」
1980年発売の石川優子さんのセカンドアルバム 少しばかり方向性のあやふやだったデビューアルバムに比べると いかにも当時のニューミュージックっぽい楽曲に溢れていて シンガーソングライターの石川優子さんっぽい 雰囲気になってきたといえるアルバムかと思います。 でも全10曲中、優子さんの作曲したものは5曲。。。 後のアルバムを知っていると 楽曲に関してはまだまだ優子さんらしさに溢れる…とまでは いかないかもしれません。 それでも優子さんらしい伸びやかでキメの細かい歌声は 十分すぎるほど「らしさ」満点で 聴き心地は最高です! オープニングは軽快なテンポの 「終りのないLove Song」から始まります。 この曲は優子さんの作曲ですね。 初期の優子さんらしい明るさとポップさを兼ね備えた曲です。 優子さんらしい…というのもありますが いかにも80年代前半のニューミュージックらしいと言えますねぇ この曲聴くと当時の空気感がリアルに思い出されます。 A-2「思い出模様」、 A-3「灯りを消して」と優子さん作曲の作品が続きます。 A-2はこの時代のフォークっぽい部分とニューミュージック系な部分が 絶妙にブレンドされた曲でなかなかの良曲です。 A-3は少しダークな歌謡曲っぽさが織り込まれた曲ですね A-4、「あなたの心のかたすみに」 A-5、「ジュスティーヌ」は大村雅朗さん作曲で この時代の清純派アイドルのアルバムに入っていても おかしくないような王道の爽やかな曲ですが 優子さんが歌うとその辺のアイドルでは絶対に真似できない スケール感が出ると思います。 これ、いいスピーカーで存分に味わうと気持ちよいのですよ~ B面のスタートは優子さん作曲の「二人の朝に」です。 この曲のAメロっていかにも優子さんの曲っぽいメロディで 何とも耳に心地よいのです。 B面の1曲目にしては地味目かな…とも思いますが 優子さんの歌声をしっかり聴かせるという意味では この曲順もいいかもしれません。私は結構この曲で引き込まれます。 B-2はアルバム中唯一のシングル曲 「クリスタル・モーニング」です! 小田裕一郎さんの曲ですねぇ コルゲントローチのCM曲でもあります 私が一番最初に耳にした優子さんの曲っておそらく 当時のCMで聴いたこの曲なんですよねぇ この曲のサビは優子さんの歌声のいいところを 存分に発揮していると思います! 幼心に「うおーいい曲だー」って思ったのを覚えていますものー (当時10歳!) ちなみに余談ですがこの曲のあとにコルゲントローチのCM曲になったのが これまた私の大好きな柏原よしえさんの「第二章・くちづけ」なんですよねぇ だからコルゲントローチのCMって私にとっては神様みたいなものです(笑 もちろん当時はめっちゃコルゲントローチ舐めてました(笑 余談ついでにさらに話が逸れますが 小田裕一郎さんの曲って私好みの名曲が多いのですよ 一番に浮かぶのは石川秀美さんの「ゆ・れ・て湘南」で あとは聖子さんの曲が多いかな…「青い珊瑚礁」、「風は秋色」、「裸足の季節」 あ、そうだそうだトシちゃんの「グッドラックLOVE」も名曲だし 杏里さんの「CAT'S EYE」も小田雄一郎さんだ…名曲揃いですねぇ でもそんな錚々たる名曲群に負けない程 「クリスタルモーニング」もめちゃくちゃ名曲ですよ! 続いては大村正朗さん曲の「目をそらさないで」 これまた優子さんの歌声の真価が発揮される壮大なスケール感のある曲です。 サビのメロディの伸びやかさを聴いていると 優子さんの声の艶やかさも存分に味わい尽くせます! B-4はちょっと軽快なリズムの「Stirring Summer」です。 こういう曲がシンデレラサマー前後になるともっと増えてくるのですよねぇ で、夏っぽいキャラが何となくついていくわけですねぇ 個人的には優子さんは「真夏」ではなくて もっと爽やかで透明度の高い「初夏」のイメージかなぁ ラストは優子さん作曲の「Farewell」で締めくくります。 これがアルバムの最後を飾るにふさわしい壮大なバラード曲です。 この頃は後のアルバムに比べるとバラード曲が多い印象です。 優子さんの歌声を堪能するには非常に良いですが 後のアルバムを知っていると もっと優子さんらしいポップな曲もたくさん聴きたいなぁ…とも思ってしまいますね。 でもこの時期ならではの味わいもたくさんあるので やはり私にとっては外せない1枚になってしまっています。 1980年5月1日リリース
昭和ニューミュージック 1980/05/01さこだ@趣味&日常
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戸川純とヤプーズ「裏玉姫」
戸川純さんのライブアルバム ソロデビューアルバムとなった「玉姫様」発売後の ツアーを収録したライブアルバムですが 発売された1984年当初はカセットのみのリリースでした。 (白レーベルで白スリーブのみの 非売品プロモ盤レコードは存在するらしい) で、私が当時組んでいたバンドのドラムのN夫くんが 「さこちゃん、これいいから聴いてみぃ」って 貸したくれたのがこの「裏玉姫」のカセットだったのですねぇ とりあえずダビングさせてもらって 私も気に入って擦り切れるほど聴きました! で、高校卒業後にCD化されていることを知り もちろんCDも購入! それからずっとたまに思い出したように聴き続け 最近はデータ化してipodで聴いていたのですが 何と昨年(2021年)秋に昨今のアナログ盤ブームもあり 初のレコード化!!!! いやいや、そりゃ買うでしょー CD持っててもレコード聴く環境は持っているのだから そりゃレコードでも聴きたいよー!!!ということで 即購入。。。 。。。ということで初出から聴き続けていますが このレコード自体は去年新品で買ったものです! 当時のカセットと同じイメージで造られたジャケットと 薄いクリアピンクのカラーレコードです! いやぁ。。。もうね。。。持ってるだけで嬉しい。。。 もちろん聴きまくりました! 当時から定期的に聴き続けているアルバムなので 内容は頭に叩き込まれていますが 「OVERTUNE」から当時歌詞の内容が一部の界隈で 非常に話題になった「玉姫様」でライブは始まり 「ベビーラブ」、「踊れない」、「涙のメカニズム」と このライブアルバムでしか聴けない ポップでメロウな楽曲が続きます。 「涙のメカニズム」はMCで「ヤプーズの演歌」と紹介されます(笑 そしてインパクトの強くこの頃の純さんらしい 「電車でGo」へと続きます! この曲いいですよねぇ~ 高校生の頃「電車でゴワッ!!!」ってよく叫んでましたもの(笑 元々このカセットを貸してくれたN夫もこれが好きだったなぁ 元気にしてるかなー そしてさらに続くのがこれもこのアルバムでしか聴けない 「ロマンス娘」 個人的にこの曲めちゃめちゃ好きなんです! このアルバムで1,2を争うほど… この頃の純さんのかわいらしさを「ギュッ」と凝縮したような1曲です パンキッシュで激しいアップテンポの曲も純さんらしくて すごく好きなのですがそんな楽曲の中に この曲があるとめちゃくちゃ目立つしインパクトあるのです!!! ここからライブアルバムは佳境に入っていき 「隣の印度人」、「昆虫軍」とお馴染みの名曲で一気に盛り上がり ラストは「パンク蛹化の女」へと一気に絶頂へ達します!!! 「パンク蛹化の女」は誰もが知っているクラシックの名曲 「パッヘルベルのカノン」をベースに歌詞をつけアレンジしたもので さらにスタジオヴァージョンとは全く異なる パンクヴァージョンとしたライブ限定ヴァージョンです! これがまたとにかくめちゃくちゃカッコ良く痺れまくります!!! 1曲1曲が短いのであっという間に終わりますが とにかく中身が濃密で何度聴いてもテンションがあがりまくる 文句ナシの名盤です!!!! 1984年4月25日カセットのみでリリース (レコードは2021年9月29日に初LP化)
昭和ニューミュージック 1984/04/25さこだ@趣味&日常
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尾崎豊「十七歳の地図」
尾崎豊さんのデビューアルバム いきなり個人的な話になりますが 私、中高生…特に高校生の頃は 身の回りで流行っているものに 比較的背を向けるほうでした 世代ドンピシャのはずなのに ガンダム見たこともないし 夕焼けにゃんにゃんも見たことない BOØWYやバービーやブルーハーツや長渕も ろくろく聴いたことない上にかなり嫌ってたし… (まぁ長渕さん嫌いなのは真子さん絡みですが(笑)) 今思うとだいぶ拗らせてたなぁ(笑 だから意外と同世代と懐かしいモノ話しても 意外と共通の話題がなかったりします(苦笑) そんな私でもこのアルバムにはハマったなぁ まだ中学生でそれほどには拗らせてなかったからかな(苦笑) とはいっても尾崎豊さんのアルバムで 所持して聴きこんだのはこの1枚だけでしたが… これが周り中で話題になり始めた頃に 15歳になったから デビューシングルでもある 「15の夜」なんて夢中になって聴いたなぁ… いや、もちろんバイクは盗んでいませんよ(笑 でも夜中に家を抜け出して 友達や彼女と会ったりし始めてた頃で このアルバム聴くといろいろ思い出すのですよねぇ 改めて聴くとやはり名曲揃いの1枚で 「15の夜」はもちろん 私の世代はみんなカラオケで歌ったことがあるのではと思う バラードの名曲「I LOVE YOU」や「OH MY LITTLE GIRL」あたりの 超甘々な曲や 私は今でもとにかく大声張り上げたいときに歌う 「十七歳の地図」も忘れられない1曲です。 他にも「僕が僕であるために」、「はじまりさえ歌えない」等々 初期の尾崎作品のベストですか???と思うほどの 内容の濃い1枚だと思います。 なんだろうなぁ… 聴いてて本当に伝えたい思いとかパワーが感じられる1枚です。 今でもたまに無性に聴きたくなることがあるのですよねぇ 1983年12月1日リリース
昭和ニューミュージック 1983/12/01さこだ@趣味&日常
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クリスタルキング「eleven carats」
クリキンの3枚目のオリジナルアルバム 私、クリキンのレコードは1stから4thまで 持っていますが この3rdと以前紹介した4thは 本当にめちゃくちゃ良くって それこそ擦り切れるくらい聴いています! 何といってもオープニングの7thシングルでもある 「Church」は本乙に名曲だと思います。 こういう切なくって激しい曲はたまらないです!!! ムッシュと田中さんのツインボーカルが これほど生きる曲もないと思います!!! 続くA-2の「海南風(Kai-Nam-Poo」も これまたクリキンらしい爽やかな名曲です!!! コカコーラ夏のスーパーレコードキャンペーンソングでもありましたね!!! この曲聴いて頭に浮かぶ絵が何とも オシャレなリゾートで憧れるのですよねぇ A-3は田中さん作曲の「どげんしたとねBaby」 これもノリノリで楽しい曲です タイトルから想像できる通りサビ以外は 博多弁全開です!!! ムッシュのAメロの歌いっぷりが何ともたまらん!!! 続いても田中さん作曲の「Fool Man」 これはちょいと大人っぽい雰囲気もありますが これも押しまくりでダンサンブルな痛快な曲です! 田中さんとムッシュのハーモニーがこれも 聴きごたえ満点です!!!! そしてA-5は「獅子座流星群」 これねぇ…ほんとマジで超いいんですが… 歌いだしの「さーむくないか~」で既にしびれまくります まさに満天の星空がイメージできる曲で 目を閉じて聴いていると星空散歩ができるような気がします。 で、サビでがらっと曲調が変わるのもステキですし 何といっても間奏の尺八のソロがまたたまりません!!! なんでこんな曲が作れてさらにここまで仕上がられるのだろうなぁ… 今給黎さん、素晴らしい!!!! で、B面のオープニングはこれまた クリキンファンなら名曲であることはみんな知っている 5th・6thシングルの「PASSION-LADY」 ここでは6th版の英語verです (5thシングルが日本語版・6thシングルが英語版) いつ何度聴いてもくっそカッコいい!!!! このアルバムでは田中さんが作曲に関わっているものが多いのですが B-2の「Birthday」もその1曲です。 少し切ない曲ですがこれまた完成度が高い!!! このアルバムだと少し地味に聞こえますが これ1stか2ndに入っていたらかなり目立つ曲ですよ~ 続いては「十月の渚」ここで少し一息入れて 力が抜ける感じですねぇ…もちろんいい曲なんですが 肩に力入れずに聴ける…というかいいアクセントになっていると思います。 そしてB-4は再びアップテンポで「How to」 これがまためちゃくちゃカッコ良いしインパクトある!!! いやこれ全然シングルでいいでしょ!!! ノリノリでキャッチーで文句ナシなのですが… クリキンならではのコーラスアレンジも素晴らしい!!!! そして畳みかけるように「祈り」へと続きます。 この曲5thシングル「PASSION-LADY」のカップリングなのですが あの名曲と言われる「PASSION-LADY」に全く引けを取らない1曲です!!! うーん、改めて別でシングルで出しても良かったのに!!! 小気味よいオシャレなアレンジで始まりますが サビはめっちゃ激しいし盛り上がります!!! これも好きなんだよなぁ 本当にこの頃のクリキンは出す曲全部イイ!!!! で、ラストは「Church」のエピローグで締めくくります。 いやほんと聴いていて1曲も捨てる曲がない!!!! こんなアルバムなかなかないですよ 今回改めてヒサビサに聴きましたが 本当にたまんないなぁ… 1981年9月21日リリース
昭和ニューミュージック 1981/09/21さこだ@趣味&日常
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中島みゆき「私の声が聞こえますか」
1976年にリリースされた 中島みゆきさんの記念すべき1stアルバム このアルバムから現在まで ほぼ1年に1枚のペースまで現在までコンスタントに アルバムを出しています。 スタジオオリジナルアルバムだけで43枚。。。 本当にすごいですよね… これだけ休まずに続けられることに圧倒されます。 この1stアルバムはデビューが決まってから かなりの急ピッチで作成されたらしく 何十曲のストックのなかから 事務所とレコード会社により選曲、アレンジが進められ 実際のレコーディングは1週間くらいで仕上げられたそうです。 あらかじめ用意されていたベーシックトラックに合わせて レコーディングされたため みゆきさんの普段のキーよりも 少し高めで歌われているものが多いようです。 「海よ」あたりを聴いていると確かに少し高いかな…とも思います。 収録されているシングル曲は デビューシングルとなった「アザミ嬢のララバイ」と 2ndシングルで第10回ポプコングランプリ曲であり 第6回世界歌謡祭でもグランプリとなった「時代」です。 「時代」に関しては今更ここであーだこーだ語る必要もありませんね デビュー曲である「アザミ嬢のララバイ」は 個人的にもめちゃくちゃ好きな曲で 初期のみゆきさんを代表する曲だと勝手に思っています。 シングル曲以外も名曲がてんこ盛りで 個人的な好みだけで言わせていただくと A-1「あぶな坂」、A-4「ボギーボビーの赤いバラ」 A-5「海よ」、B-2「ひとり遊び」、B-5「渚便り」あたりは どれも甲乙つけがたい名曲です。 それにしても改めて聴いておどろくのですが アレンジには確かに時代を感じますが みゆきさん歌声が今と比べても全く違和感ないのですよね 既にデビュー時に完成の域に達しているのですよね… 大抵のベテランアーティストが 1st、2ndあたりだといい意味でも悪い意味でも その後とはイメージがかなり異なったりするものなのですが… ただこのアルバムを聴いていると 言われるほど「暗く」はないのですよね 確かに歌の内容は決して明るくはないのですが 少しキーが高めであることもあり 歌声が妙にカラッとしているのですよね みゆきさんってラジオとかだとめちゃ弾けたキャラなのは その後、お馴染みになりますが このアルバムの歌声を聴いていると ちょっとそのイメージが垣間見えるような気がします。 まぁわかっているからだとは思いますが… 1976年4月25日リリース
昭和ニューミュージック 1976/04/25さこだ@趣味&日常
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石川優子「優子 ときめくころ」
1979年デビューの石川優子さんの1stアルバム デビューシングルの「沈丁花」が3月に発売され 2ndシングルの「 レット・ミー・フライ」が7月に発売 そしてこの1stアルバムが10月に発売されたわけですね! 優子さんは当時のニューミュージック系アーティストの 登竜門ともいえるポプコン出身で デビュー前からバリバリのシンガーソングライターだったのに 1stシングルは自分の曲ではなく フォークというよりは演歌に近い「沈丁花」でのデビューとなりました。 この曲はこの曲で特に今聴くと しっとりして何とも言えず良い曲なのですが 個人的には優子さんの曲じゃないよなぁ…と正直なところ思います(苦笑) でも2ndシングルは自身の作詞作曲の「 レット・ミー・フライ」で これが初期の優子さんらしい透明感溢れる良い曲でした!!! そして満を持して発売の1stアルバムです! 後にアルバムアーティストとして 出すアルバムそれぞれがコンスタントに売れる 優子さんのアルバムの歴史がここから始めるわけですね! でもまだ1stアルバムでは自身の作詞作曲の曲は まだ10曲中3曲なのですね… でも優子さんの魅力はその楽曲のクオリティの高さもそうですが 何といっても魅力は透明感溢れる上にきめ細かいその歌声です! そこに関してはこの1stアルバムから存分に発揮されています 1曲目の「オー・マイ・ラブ」から デビューアルバムとは思えない圧巻の歌声です! この歌声に関しては1stからもはや完成の域に達していると思います! A-2「ove Song にさよなら」は70年代フォークらしい レトロな雰囲気な曲ですがここでもサビのハーモニーの美しさに 聞き惚れてしまいます。 A-3は2nsシングル「レット・ミー・フライ 」です! 文句ナシにいいですねぇ…歌声の美しさはもちろんのこと 優子さんらしい美しいメロディの良い曲です! サビ前が特にいいんですよねぇ…何とも切ない曲なんですが… A-4は谷山浩子さんの「河のほとりに」のカバーです。 この曲はもう歌いだしのメロディから もろに谷山浩子ワールド全開の1曲ですが 優子さんもしっかり自分のカラーで歌いこなしているように思います。 A面ラストはこれも70年代テイストの 「明日へのメッセージ」で締めくくります ここでも堂々の歌いっぷりで聴いていても気持ちよいほどです! A面の全体的に爽やか系のフォーク系楽曲でまとめたのに比べて B面はしっとり系の曲が多めに配置されています。 B-1の「あなたの手紙」もしっとり切なく歌い上げます。 …と思いきやB-2は打って変わって明るくポップな 「土曜の夜はパーティー 」です 優子さん自身の曲も3rdあたりになるとこんな曲も増えてくるのですが このアルバムではちょっと意外な感じの1曲になっています。 いや、でも、もちろんこれ好きですよ! B-3は再びしっとりとした「雨の日曜日」 これは優子さんの作詞曲ですね! 中期・後期の優子さんのイメージから考えると こういういかにも昭和っぽいしっとりさは ちょっと意外に感じてしまいます。 ズドーンと暗い曲ですが やはり同時期の某みゆきさんや 某ハコさんとは全然違うテイストなのがとっても興味深いですね ん?やはり少し演歌っぽいのかな… B-4も優子さん作詞作曲の「眠りの中へ」 今度は少しムード歌謡っぽいテイストです あぁ~でもこのマイナーなメロディと 真夜中っぽい感じはモロに好みですねぇ… またこの独特な雰囲気に優子さんの声が合ってる!!! こういう感じはシンデレラサマー以降ではまず聴けないから ある意味めちゃくちゃ貴重かもしれません!!! で、アルバムラストは デビュー曲の「沈丁花」で締めくくります。 改めて聴くと切ない曲だなぁ… この重さと暗さがまたいいなぁ~やっぱり良い曲ですね! 2ndアルバム以降の作品とはやはり随分異なります いろいろ試行錯誤している部分も感じられます でもその高い歌唱力と少ないながらも クオリティの高い自身の作曲も この時期ならではのものがあって非常に貴重な1枚だと思います。 1979年10月25日リリース
昭和ニューミュージック 1979/10/25さこだ@趣味&日常
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大沢誉志幸「CONFUSION」
大沢誉志幸さんの3枚目のオリジナルアルバム 1984年リリースの作品ですが 何といっても大ヒット曲「そして僕は途方に暮れる」が 収録されたアルバムとしても有名です。 確かに私もそれ目当てで買いました(笑 収録曲大部分において (A-1・B-5のみ作詞も大沢誉志幸) 作曲・大沢誉志幸 作詞 銀色夏生 編曲 大村雅朗 無敵のトリオでの製作となっています。 当時、銀色夏生さんの詩の世界に やたらとはまった時期があって 何冊か詩集も持っていたのですよ いつの間にか処分してしまったけど 持っておけばよかったなぁ… 大沢誉志幸さん自身はソロデビューした 「彼女には判らない」の頃から ラジオで曲をよく聴いていましたが やはり注目度ががぜん上がったのは 「そして僕は途方に暮れる」の大ヒットからになってしまいます。 でもこれ以外にも何枚かアルバムを聴いて いつも思うのですが アルバムでは本当に自分のやりたい音楽を とことん追求しているんじゃないかなぁ…と思います。 楽曲もアレンジも凝っているし 流して聴くのではなくて しっかり聴きこまないと良さがわかりにくいんじゃないかと思います。 シングル曲はもう割り切って キャッチーさを前面に出しているし もっとすごいのは他の歌い手さんに提供する楽曲で (明菜さんとか山下久美子さんとかジュリー) 「絶対売れるだろ!これ!!!」と確信するレベルの曲ばかりです。 勝手な想像ですが 「売れる曲なんていくらでも作れるけど 俺のやりたいのはそうじゃないんだよなぁ…」っていうセリフが アルバム聴いていると聞こえてくるよな気がするんですよねぇ(笑 いや、勝手な想像ですよ こんなこと言ってると 「楽曲提供はそれはそれでめちゃ大変なんだよ!」って おこられそうな気がしますが それほど出てくる曲がどれも「わかりやすく」カッコ良かったのですよねぇ 全くアルバムの中身に触れていませんが…(汗) A-1のタイトル曲は文句ナシにオープニングにふさわしくカッコ良いですし モダンでおしゃれなA-3も聴きごたえ十分ですし シングル曲のA-5「その気×××(mistake)」も 大沢誉志幸さんらしいキレの良さと鋭いエッジがたまらない1曲です。 他にもメリハリの効いた軽快なB-2や これまた洒落たアレンジで聴きごたえ十分なB-3 ビートのしっかり効いたB-5 秀逸な楽曲が目白押しです! 勝手な思い込みなんですが 昔からこのアルバムって「都会の雨」のイメージなんですよねぇ いまだにそんな感じが抜けません… でもやっぱり私としては このアルバムはとにかく「そして僕は途方に暮れる」が ぶっちぎりに良すぎるのです 繊細で胸を締め付けられるようなメロディに その世界観をあますことなく表現する歌詞に イメージをさらに膨らませ聴き心地の非常に良いアレンジ どこをとっても文句のつけようがありません 未だに頻繁に大音量で聴きたくなりますし カラオケに行ってもかなりの頻度でこれを歌います!!! まぁ当時の日々のできごととか その頃の時代の空気感とか そういうのもひっくるめて思い出の1曲なんですよねぇ 1984年7月10日リリース
昭和ニューミュージック 1984/07/10さこだ@趣味&日常
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山崎ハコ「人間まがい」
山崎ハコさんの5枚目のオリジナルアルバム この時代にはいわゆるフォークソング出身の 暗い唄が持ち味というシンガーソングライターが多くいらっしゃって その中で最も有名で成功したのはご存じ中島みゆきさんですよね 何度もここでも書いていますが ズドーンと暗い唄や哀しい唄大好きな私もちろん好きなのですが それ以上に後年はまったのがハコさんです。 特に比較的初期のハコさんの唄は単に暗い、哀しいだけではなくて おどろおどろしさや怖さ、不気味さも併せ持っていました その怖い部分がピークに達したのが この「人間まがい」だと個人的に思っています。 ざっくり順に紹介していきたいのですが オープニングの「誰が呼ぶ」は、まだ比較的軽めでですが これも結構情念どろどろの内容で 深読みしていけば結構怖い部分がありますがまだまだ軽いジャブです。 でも相変わらずのパワフルな歌いっぷりで いきなり引き込まれます。 で、2曲目は「きょうだい心中」 きました!いわくつきで「放送禁止歌」ともなってしまった曲ですね。 元々は西日本に伝わる伝承歌をモチーフにした歌ですが 兄妹の近親姦と心中を歌った問題作です。 兄に迫られた妹が「私には男がいます。その男を殺してくれれば女房にでも何でもなります」と約束をし 妹はその男に変装し兄に殺されてしまうという もはやどろどろでどうにもならない物語です。 この曲、1979年の映画『地獄』の挿入歌としても使われます。 (主題歌はB-5「心だけ愛して」) またこの映画が不倫(当時的に言えば姦通)の果てに 生まれて捨てられた娘が20年後に生まれた村に戻ってきて 腹違いの兄と近親相姦に陥るというこれがまたどろどろな物語なのです… いろんな意味で現代ではアウトだろうなぁ… A-3の「ムラサキの花」で小休止して 続くはA-5の「からす」 個人的にはこの曲が一番怖いと思っているのですが… ハコさんの力なく切ない「かぁ~」という鳴きまねも怖いですが 泣く子はさらっていくぞという内容の歌詞で これ…いわゆる口減らしや間引きのことですよねぇ… ハコさんはこの頃、こういう地方の伝承歌を基にした作品も多く それが結構また怖い内容のものも多いのです。 歌詞の内容も深読みすれば十分に怖いSですが 基本的にギター1本の弾き語りですが 結構、細かく効果音がバックに入れられていて これがまた何とも不気味です。 極めつけはラストの赤ん坊の笑い声…かな… で、さらにB-1は木槌で何かを打ちつける効果音から あの有名な「呪い」から始まります。 そんな明るいトーンで「コーンコン♪コーンコン♪くぎを刺す~」と歌われると 逆に恐怖マシマシです! 延々とシンプルな歌詞とメロディーが続くところも 非常に効果的です。 もうこれはまず聴いて堪能していただければと思います! 畳みかけるようにタイトル曲の「人間まがい」です。 。。。「まがい」っていうことはもはや人間ではないってことですよね? この世と別れてみたのはいいけれど 空の上の扉は固く他の人は入れるのに私は入れない!っていう曲です 要は浮遊霊になってしまう唄ですね なかなかこんなテーマの曲ないと思います。もう最高です! B-3の「暗闇」もこれも直接的な表現こそないけれど 「もはや現世に戻れない」という内容の曲ですね そして続いて「三つの花」短い曲で ほぼハコさんのスキャットで進みます… 歌詞は… 「白い花…生まれた 赤い花…咲いた 黒い花……落ちた」で最後ほぼぶつ切りで終わります いや本当に怖いから! ラストは先述した「地獄」の主題歌でもある 「心だけ愛して」 もう映画の内容通り 情欲に溺れてどこまでも堕ちていく曲です …というわけでハコワールド全開で最後まで突っ走る作品です。 この迷いなく突き抜けた感は本当に最高です。 私、映画もいわゆるドロドロしたジャパンホラーが好きなのですが 「伽椰子」や「貞子」の世界観に近いものを このアルバムから感じてしまってもうたまりません! 私と同じような趣味の方は絶対このアルバム、ハマると思います! 無性に夜中に一人っきりで聴きたくなる1枚です! 1979年5月21日リリース
昭和ニューミュージック 1979/05/21さこだ@趣味&日常
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杏里「思いきりアメリカン 〜I Love Poping World,Anri〜」
1982年発売の杏里さんのベストアルバム 杏里さんといえば「CAT'S EYE」とか 「気ままにREFLECTION」とかの ダンサンブルでカッコいい曲のイメージが強い方も多いと思います、 でも私にとっての杏里さんはこのアルバムのタイトルにもなっている 「思い切りアメリカン」のイメージです! 「CATS'S EYE」がヒットする1年くらい前ですね。 「思い切りアメリカン」が当時の「花王・リマーラ」のCMで使われて それを見て1発でこの曲を気に入って それから数日以内にFMエアチェックしてテープで聴きまくって そうしているうちにこのベストアルバムが出たから とりあえずは貸しレコード屋さんに行って借りてきたわけですね 当時(中学生になったばかり)の私にはそんなにポンポンと レコードを買いあさるほどのお小遣いはなかったので レコードを実際に入手したのは数年後の話ですね でもテープで発売当時から聴きまくったアルバムです。 A-1がいきなりその「思い切りアメリカン」です 杏里さんならではの伸びやかな歌声でとっても気持ちよい曲です。 私の杏里さんのファーストコンタクトはこの曲だから 私にとって杏里さんのイメージはこの曲のとおり 初夏の爽やかなサンタモニカの海のイメージなのです! この曲のヒットで杏里さんの知名度はかなり上がったと思うのですが それまでは結構セールス的には苦労があったようです。 デビュー曲の「オリビアを聴きながら」では その高い歌唱力で一部で相当評価が高かったものの セールス的には伸び悩み (後でいろんな方にカバーされたりして この曲は有名な名曲になりましたが…) そこから続くシングルもかなり苦戦を強いられたようです。 そのため楽興の方向性も何度か大きく方向転換したりで 試行錯誤を重ねていたようです。 このアルバムを聴いていても明らかに当時の歌謡ポップに寄せた 「マウイムーン」や「エスプレッソで眠れない」 「コットン気分」のような楽曲もあれば ヨーロピアンな「哀しみの孔雀」、「リビエラからの手紙」があったり あるいは杏里さんらしい美しいバラードの 「オリビアを聴きながら」や「砂浜」、「海辺から」があったりと なかなかバリエーションに富んだ内容となっています。 個人的には伸びやかな歌声を最大限にいかした バラードがやはり聴きごたえがありますが エスプレッソで眠れない」や「コットン気分」あたりの この時代ならではのポップな杏里さんも非常に良いと思います。 いずれにしても個人的には「CAT'S EYE」以降の杏里さんより 私としてはこのアルバムの杏里さんのイメージが強いのです。 今聴いても、どこから聴いても、とっても楽しい1枚です。 でもやはりA-1、B-1のインパクトが ちょっとずば抜けているかな… 1982年5月21日リリース
昭和ニューミュージック 1982/05/21さこだ@趣味&日常
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山崎ハコ「飛・び・ま・す」
1975年発表の山崎ハコさんのデビューアルバム ズドーンと暗くて哀しい歌が大好きな私が ハコさんのアルバム聴いてないわけがないですよねぇ(笑 まずは記念すべき1stアルバムから… このアルバムが出たのが1975年10月 さすがに私も6歳ですからね、実際にこのアルバム聴いたのは もっと後の話で先に「幻想旅行」とかを聴いてから このアルバムに至っています。 このアルバムがデビュー作ですが 最初の数年はシングルを出していません。 最初のシングルが出るのはデビューして2年半後の 1978年5月です。 シングルヒットを狙うより典型的なアルバムアーティストで やっていこうということなのだと思いますが 一説によるとデビュー前から病弱で かねてより慢性膵炎の持病を抱えており 膵臓に負担がかかるため成人後も 「酒・タバコどころかコーヒーなども口にできない」という体質だったのでそうです そのため、デビュー時から所属していた音楽事務所「IMADOKI」社長の星野さんは 病弱なハコさんの負担を避けようと シングルを次々に出してヒット曲を狙うという手法を取らなかったと後に語っています しかしながらこの時のハコさんはまだ18歳ですが そんな身体の不安など感じさせないパワフルさです。 身長も150cm前後しかなく瘦せ型なその風貌からは 想像できないほどの情熱的な歌声を聴かせてくれます。 A-1「望郷」から他の何者でもないハコワールド全開です 私も呉の片田舎から東京に出てきたパターンですが 田舎育ちで都会暮らしの方には 必ずこの曲が沁みまくることがあるはずです! 最後の歌詞なんてまさに今の私にあてはまちゃって泣きそうです A-2「さすらい」はジャジーなピアノとスキャットで しぶーく始まります。 ヤバいですねぇ こんなの聴きながら酒飲んでたら間違いなく飲みすぎます… そうそうもおうこういうのがたまらないのです! なに?暗すぎる?何言ってるのですか!これがいいんです 本来、一人で音楽をじっくり聴くなんて 何か哀しいときとか切ないときが多いじゃないですか そんなときにさらに!その感情を増幅させるのです! ほら自分の感情を良質な真空管アンプでさらに倍増させるんです! そしてどこまでも落ちていくのです----- もう冷静さが保てません A-3は「かざぐるま」 ハコさんの歌って絵が浮かぶんですよねぇ その絵が何とも温かくて懐かしい絵なのですが もう絶対に戻ることのできない情景なんですよねぇ で、やりきれなく切なくなって酒と涙が止まらなくなるのです この曲もまさにそういう1曲 A-4は「橋向こうの家」 もう立て続けに止まりません それだけこの世界に引きずりこまれていくのか… この曲はさらにストレートに切ない曲です これも情景が浮かびやすいですのですよねぇ ハコさん、タバコもお酒もダメなのに なんでこんな曲書けるのでしょう??? まさに心の隙間に容赦なく入り込んでくる曲です A-5は「サヨナラの鐘」 変わらず悲しくて切ないの別れの歌ですが 少し希望めいた光がかすかに見えるような曲です。 ここまでの前半の曲に比べれば 傷口に塩を擦り込むような切なさの傷みは伴わないと思います。 少しリラックスできる感じでA面終了です。 B面は「竹とんぼ」でスタートします くっ…これまた幼少期の何とも言えない切なさをえぐるような曲です。 私も幼稚園児の頃にじいさんが竹とんぼ作ってくれたなぁ で、うまく飛ばせないのですよぉ、まだ5歳だから… じいさんが飛ばすとすっごく高く飛ぶのに~ で、うまくいかないからついついはぶてちゃうんですよね それをみてじいさんも困った顔になってしまう。。。 うわ-----ーん!じいさんごめんよぉ---- でもありがとう!!!!あぁ生きてるうちにmのっと伝えたかった… …というわけでいきなり切なさ全開です(苦笑 B-2は「影が見えない」 さぁまだまだ続きますよ せっけん水のシャボン玉、れんげ畑のくつかくし 毛糸のあやとり、ほぎれのリボン なんてこんなに絶妙な小道具が出てくるんでしょう 時代がシンクロしているせいか いろいろとハマりすぎます その上でシンプルなアレンジに乗せて 力強く歌い上げるハコさんの歌声が響き渡ります この曲もいいですよねぇ…この行き詰まり感がたまりません B-3はまさに「気分を変えて」です! アルバム唯一のアップテンポで ちぎって投げるように歌い上げます 明るくはないのですがサビがめっちゃキャッチーです これ数年後に香坂みゆきさんがカバーしてシングルで出しています 実は私、香坂みゆきさんのヴァージョンのほうを ラジオとかで先に聴いていたりします ハコさんの歌ももちろんいいですが みゆきさんの歌う「気分を変えて」もかなりいいですよ! この曲が好きだって人は多いだろうなぁ B-4はアルバムタイトルでもある「飛びます」です。 これはまさに旅立ちの歌で 切なさもありますが希望の光を感じる曲です。 個人的にはもっとどろどろしたパワーを感じる「どん底」な曲が 好きなのですが整然とした心境が感じられる 朝の張り詰めた空気のような透明感のあるこの曲もいいですね! B-5は何ともまた懐かしさを感じさせる「子守唄」で エンディングです。 この類の曲をラストに持ってくる手法は定番ではありますが やはり落ち着いてまとまりますね どろどろの哀しみにひたったままでアルバムが終わると かなりダメージが残りそうなので この曲がラストで心を落ち着かせることができて一安心です。 これなら悪酔いせずにそのまま眠れそうです …というわけで割り切って哀しみを楽しめるメンタル状態なら ドはまりできる1枚です!わけもなく落ちる感覚を楽しめます! でも本当に弱っているときに聴くと ダメージ受けすぎるので要注意です(苦笑) 1975年10月1日リリース
昭和ニューミュージック 1975/10/01さこだ@趣味&日常
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オフコース「NEXT SOUND TRACK」
1982年に発売されたTV番組「NEXT」のサウンドトラックアルバム コンサートツアー「over」にて 日本史上初の日本武道館10日間公演を成功させ 最終日(1982年6月30日)のステージを題材にしたTV番組『NEXT』 メンバー自らが脚本・演出・監督・主演を手がけたスペシャル番組でした 初のサウンドトラックアルバムという意味もあり 史上初の武道館10日間公演の記録ということもありますが 結果的に5人編成のオフコースの最後のアルバムとなりました。 そしてデビュー以来在籍していた東芝EMIでの最後のアルバムともなっています。 随分前からやっさん(鈴木康博)の脱退の噂はたってはいたのですが 確かこのアルバムの発表時点ではまだ脱退は正式発表ではなかったと思います。 しかしながらアルバムタイトルが「NEXT」で 収録された小田さんとやっさんの新曲が 明らかに次への旅立ちがテーマとなった曲であったことからも 暗黙の了解でやっさんの脱退は決定事項だと理解されていましした。 それに加えオフコースそのものが解散ではないかとも 噂されていましたが一時活動休止後1984年には4人で再出発となります。 でもやはり個人的には私の大好きなオフコースは このアルバムで一区切りかと思います。 アルバムはNEXTのテーマのファンファーレから これまでの思い出を回想するかのするかのように メドレーで始まり やっさんの新曲「流れゆく時の中で」のインストゥルメンタルを挟み そして「眠れぬ夜」、「さよなら」、「一億の夜を超えて」の オリジナルヴァージョンが続きます。 …もう明らかに解散の雰囲気ですよぉ… そして「さよなら」のインストゥルメンタルでA面を終わります。 B面は今回の小田さんの新曲「NEXTのテーマ -僕等がいた-」 そしてやっさんの新曲「流れゆく時の中で」 もうお互いの言い分を楽曲で表現してるとしか思えません… でも、この2曲、タイプは異なりますが それぞれめちゃくちゃ良い曲です! やっぱりオフコースはこの二人の楽曲がないと成り立たないです… シングル曲こそ小田さんの曲ばかりになってしまいますが オフコースの本業とも言えるアルバムは 二人の曲はほぼ同じ数いつも収録されます。 どっちかが欠ければ大問題になるのは明らかです… もう最初にこのアルバム買ってこの2曲を聴いたときには 泣けて泣けてしかったなかったことをよく覚えています… それから「I LOVE YOU」のライブヴァージョン 続いて「YES-YES-YES」のオリジナルヴァージョンの後半部に 1982年6月30日の武道館公演最終日のライブ終了直後、 場内に流れていた曲にあわせて観客が合唱した音源をダビングしたものへ続きます。 まぁなんと凝った演出ですこと… そして「NEXTのテーマ」のインストゥルメンタルで終わります。 いろいろ意味深すぎて当時は聴くたびに思うことがあったものです。 でも冷静に考えると小田さんとやっさん、 これだけの才能を持った二人が いつまでも同じグループ内にいることは逆に無理があったでしょうね お互いにやりたいこともあったでしょうし… でも1970年のデビュー以来、 切磋琢磨してきたオフコースの一つの時代が これで終わったのは間違いないかと思います。 リアルタイムで見てきただけに今でも特別な思いのある1枚ですね 1982年9月21日リリース
昭和ニューミュージック 1982/09/21さこだ@趣味&日常
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堀江淳「夢のあやとり」
堀江淳さんの2ndアルバム ジャケットは夏の海で帯も水色で 何だか明るく爽やかにイメージチェンジ???と思いつつ レコードに針を落とすと オープニングは前作と同様にインストの序曲で始まり 実質1曲目の「いつか風の中で」は まさかのじゃけーっとのイメージ通りの 初夏の風を思わせる明るく爽やかなナンバー!!!! えええええええ~??? 私的には場末のスナック的な ダークな酒場のイメージを期待しているのですが…(笑 いや楽曲はもちろんいいのですけどね A-3も妙に明るいトーンの軽快なノリの「ブルーな気分」に続きます うっそ…まさかずっとこの調子???と思いきや A-4は私の大好きな3rdシングルでもある 「ラストダンス」!!! 私、この曲が堀江淳さんの曲で一番好きなのですよ!!! テンポはアップテンポでもA-2のイメージではなくて こういう感じでいってほしいのですよねぇ… でもこの曲は本当に名曲です! なかなか苦しい状況だったとはいえ 有線あたりで火がついて大ヒットしないかと当時も思っていました で、テープが擦り切れるほど繰り返し聴いていた曲です。 ラストダンスでターニングポイントとなったのか A-5「置手紙」はある意味、淳さんらしい ズドーンと暗いバラードでA面を締めくくります。 B-1は改めて再び夏のイメージの「サマーレディ」ですが どことなく淳さんらしい憂いが少し見え隠れしているよな気がします。 いや何度も書きますが楽曲は非常に良いのですよ ただ私が勝手に描いている淳さんのイメージと 合わない楽曲が多いだけなのです(苦笑) B-2も波の効果音から始まる「白い砂浜」です。 淳さんの透き通った声はもちろんこういう爽やかな曲にも合うのですが。。。 段々、これはこれでいいのか…と思えてきました… 5月発売のアルバムですし… 初夏の爽やかなイメージで押しまくりたいのですね! わかりました。そう割り切ってしまえば 淳さんの新しいイメージだと思って楽しみます!!! うん、そう気を取り直して聴いてみるといいですよ 「ラストダンス」だけが逆に浮いてしまっているような気が…(笑 …と思いきやB-3「雨のロンリネス」は ガラッと変わって夜の雨の飲み屋街のイメージですよ~ うーん、やっぱりこのイメージが合いますよ! この曲は後に出るベスト盤にも収録されますが かなり良い曲ですよ~メロディもすごく覚えやすくて印象に残ります B-4はタイトル曲でもある「夢のあやとり」 あぁ~これは淳さんらしい儚くも美しい繊細なメロディライン… うん、やっぱりこういうマイナーなのがいいと思います~ 続いては実質ラストともいえる「町の灯」 これは…乳白色の明るい霧の中にいるような不思議な曲ですね 歌詞の世界は夜の静寂なのですが曲とメロディのイメージが 妙に明るい雰囲気を醸し出しています…これはこれでいいですね これも淳さんの新しいイメージではないかと思います。 そしてラストはエピローグのインスト小曲で終わります。 いろいろ新しいイメージにトライしている感じに溢れるアルバムでした 意外性があってなかなか面白い1枚です。 うーん、でもやっぱり「ラストダンス」の出来が良すぎて そこに引っ張られてしまうかな。。。(苦笑) あ、「雨のロンリネス」もすごくいいのですよねぇ だから本来の初夏の爽やかなイメージが少し消えてしまうのです… 1982年5月21日リリース
昭和ニューミュージック 1982/05/21さこだ@趣味&日常
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シャネルズ「Mr.ブラック」
シャネルズの1stアルバム 本作にも収録されているデビューシングル 「ランナウェイ」の大ヒットで この1stアルバムも見事にアルバムチャート1位を記録しています! 日本における「ドゥーワップ」の草分け的存在ですね 私も当時、シャネルズのおかげで「ドゥーワップ」の存在や意味を知りました 楽曲も軽快にノリノリで「パーリナイ!」って感じの 超陽キャな楽しさがウリですが 何といっても当時はそのメインボーカルの4人が 顔を黒く塗って非常にインパクトのあるルックスだった頃も 話題になった要因だと思います。 黒塗りメイクにはデビュー当時まで白髪染めを使い 以後は濃い色のファンデーションを塗っていたそうです。 当時は靴墨を塗っているという説が一般的でしたが 靴墨はファンがやっていたため自分たちも靴墨と言っただけで 靴墨は臭くてとても塗れないでしょうという趣旨のコメントを後にクワマンが話しています このアルバムはA面がオリジナル曲 B面が洋楽カバーとなっています。 南沙織さん方式ですね(笑 楽曲はいずれも軽快なドゥーワップ曲で アルバムの最初から最後まで軽快なノリで楽しく聴ける1枚です。 今、改めて聴くとメンバー10人の重厚なコーラスも聴きごたえ十分ですし 何といっても間奏の青路がトランペットなのが 新鮮ですよねぇ~クワマンめっちゃいい仕事しています! それにしても「ランナウェイ」は名曲ですね! アルバム内には鈴木雅之さん作曲のオリジナル曲も4曲あるのですが 「ランナウェイ」は井上忠夫さっきょくなっていますが これはこの頃のペンネームで後の井上大輔さんです。 そして作詞は湯川れい子さん、もはや最高のコンビです! いろいろ当時のこと調べていて思い出したのですが 「ランナウェイ」って パイオニアのラジカセ『ランナウェイ』のCMソングだったのですよね! 調べていてみつけて「言われてみれば!!!!」と思い出しました。。。 しかし懐かしいなぁ…この頃、私、小学5年生… リーダーでもある鈴木雅之さんがソロとして 長く活躍するのはまだ想像できなくもないですが クワマンがあんなにおもしろい人で その後、しむけんさんと組んで大活躍するとか 田代さんがあんなことやこんなことになるとは想像できなかったなぁ… 1980年5月21日リリース
昭和ニューミュージック 1980/05/21さこだ@趣味&日常
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あみん「メモリアル」
1983年発売のあみんの2枚目のアルバム 1stアルバムでは自分たちで作った楽曲を中心に作られましたが この2ndアルバムは全曲、ヤマハ音楽振興会所属アーティストが 制作もしくは発表した楽曲… つまりレコード化したかどうかはともかく ポプコンで入賞した曲のカバーとなっています。 あみんの二人(特に孝子さんは)オリジナル曲で 2ndアルバムも作りたかったのだと思われますが レコード会社としてはいろいろな楽曲を歌わせたかったようで 今回はそれが反映された感じになっています。 …結局…これが「あみん」としては 最後のアルバムになってしまったのですよねぇ 2007年の再結成後はまた違う話だと思うので… ハコさんが学業に専念したいということと そもそもこの世界が合わない…と 当時思わされることが多かったことが原因と言われています 孝子さんが他の人と組んで「あみん」を継続させるという提案も あったらしいのですが 孝子さんは「ハコ以外の人と組むことは考えられない」ということで 結局デビュー後の活動期間は約2年 シングル4枚アルバム2枚で「あみん」としての活動は 終止符を打つことになりました。 その最後の作品がこの「メモリアル」です。 二人のヴォーカル・ハーモニーは前作以上に冴え渡っています さらに今回の楽曲はポプコンで賞を取った曲ばかりなので 楽曲gふぁバラエティーに富んでいる上に それぞれのレベルがめっちゃ高いです! 比較的、地味目の何度も味合わないと良さがわかりにくいものもありますが 私は個人的には前作以上に大好きなアルバムです。 A-1「白いページの中に」 原曲「柴田まゆみ(1978年/第15回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作・入賞)」 オープニングにふさわしい透明感のある美しい1曲 炭火のようにじわりと明るく温かい味わい深い楽曲です A-2「朝」 原曲「坂本忬誌子(1982年/第23回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作)」 これもA-1に続いて透明感があってさらに爽やかさが上乗せされた曲です。 全体的にこのアルバムは比較的マイナー調の曲が多い中 眩しい日差しを感じさせる貴重な楽曲です。 A-3「来夢来人」 原曲: 大友裕子(1980年/アルバム『傷』に収録) 同タイトルの曲が尾崎亜美さんとか小柳ルミ子さんとかの曲にありますが 全くの別物です きましたきました!ここからズドーーーーンと暗くなります ひとりでじっくり聴いているといい意味でテンションが下がります。 やたらと哀しくなりたいときにおススメです でも本当にめちゃくちゃいい曲です! A-4「ボヘミアン」 「原曲: 安田慧子(1980年/第19回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作)」 こちらも葛城ユキさんのあの同名曲とは全くの別モノです さらにこの曲で奈落の底に突き落とされる感じです! このA-3、A-4の並びは暗い曲大好きな私としては最強のコンビです! メンタル弱ってるときにこの並びで聴くとちょっとヤバいレベルです。 でもイントロの美しさ、Aメロの切なさ、サビの美しさ もう文句ナシの名曲です。 個人的な感覚ですがA-3「来夢来人」が午前0時だとすると この「ボヘミアン」午前3時です もう草木の眠る丑三つ時に静かに鑑賞して涙する曲だと思います A-5「リベルテ」 「原曲: 松永千鶴(1979年/第17回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作・入賞)」 これも孝子さんがその後ソロで出した同名曲とか別物です。 A-3,A-4でどん底に落ちていつのまにか眠ってしまい その後、穏やかな朝が来る…というイメージです。 おもわずほっとする温かさがある曲なのですが… 実はこの曲、1日の終わりの曲なのですよね(苦笑) 前の曲までが明らかに淀んだ深夜のイメージなので この透明感のある楽曲のイメージがどうしても朝に感じてしまいます 伸びやかなサビのフレーズとさりげないハーモニーが非常に美しい1曲です。 B-1「追想」 「原曲: セシル(1981年/第21回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作・優秀曲賞)」 さてサイドも変わって仕切り直しです! ガラリと雰囲気も変わって明るくて元気の出る楽曲です 真夏の雰囲気ですねぇ…ジトっとした暑さではなくて カラッとした初夏のイメージ…ひたすら青い空と白い雲のイメージです 普段やさぐれた私の心も洗い流さられるような気がします…(笑 B-2「青いクレヨン」 「原曲: 菊池弘子(1976年/シングル曲)」 さぁ!でもそんな爽やかな明るい時間はそんなに続きません どこにもやりようのない切なさを 青いクレヨンでひたすら塗りつぶす時間がやってまいりました こんな風に書いていますが 私、本当にこういうどこにもやりようのない解決の糸口の見えない 哀しさとか切なさを歌った曲が本当に好きなんです。 だからこの曲も大好きなのです! ちなみに映画とかもいわゆるバッドエンドな結末が好きなんです(苦笑) B-3「そよ風の妖精」 「原曲: トゥインクル(1979年/第18回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作・入賞)」 あ…残念ながらどん底にくらいのは今回は続きませんでした 爽やかで繊細なまさにタイトル通りのイメージの曲です。 80年代に入るとこういう曲はちょっとウケなくなると思うのですが 今聴くとまた1周して非常に新鮮です おまけに二人のハーモニーが全編にわたって絶妙に美しいです じっくり聴き入っているとホントに引き込まれます。 B-4「想い」 「原曲: 藤田久美子(1981年/第21回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作・入賞)」 ここで初めて気づいたのですが 切々と思いを歌い上げるラブソングってこの曲だけかも… 思いのたけを相手に次々と浴びせかけていくような ラブソングの王道ですが いや文句ナシに美しいです。。。 これ目の前で歌い上げられて思いにこたえられない男なんていないでしょう それほどまでに見事なラブソングです B-5「サルビアの花」 タイトルの通りかわいらしさと爽やかさのある曲なのですが 実はこんこんと切なくて哀しい曲です。 前曲とはある意味正反対で届かない思いを訴え続ける内容です。 やっぱり叶わないから美しいともいえるかもしれません… で、この曲も二人のハーモニーがどこまでも響き渡る聴きごたえのある曲です。 あぁ、やっぱりこういう切ないのがいいなぁ B-6「六月の子守唄」 「原曲: みにくいあひるのこ(1973年/第5回ヤマハポピュラーソングコンテスト出場作)」 アルバムのラストを飾るにふさわしい とにかく美しくどことなくはかない哀愁溢れる1曲です こういう昔話っぽい雰囲気の楽曲には弱いです。 何だか意味もなくどこにもやりようのない切なさややるせなさが溢れてくるようです 文句ナシに名曲です! しかし、よくここまで絶妙に切なさ溢れる曲を集めたものです。 また孝子さん、ハコさんの歌声がめちゃくちゃ合っています。 発売から何十年も経っているのに 未だに無性に聴きたくなって夜中に一人で聴きこんでしまうアルバムです。 深酒になりやすいので要注意です! 1983年12月20日リリース
昭和ニューミュージック 1983/12/20さこだ@趣味&日常