ベルギー象徴派展

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1982年。東京国立近代美術館。
今まで多くの美術展を見てきたが、最も印象的で衝撃を受け、いまだに忘れられない。
クノップフ、デルヴィル、メルリ、ロップス、ウィールツなど高校生の頃に澁澤龍彦の著作で知った作家の名作が一堂に会し、感動の余り脚が震えたのをはっきりと覚えている。
19世紀末、心の闇の部分にスポットを当て神話の世界などをモチーフにした作品群はまだ若かった私を鷲掴みにするほどの強烈なインパクトを残した。
この当時はまだ美術館には人は少なく、床に座り込んで一つの作品を1時間くらい眺めていても何も言われなかった、良い時代だった。
最も好きな作品の一つ、クノップフの「私は私自身に扉を閉ざす」がデザインされたポスターは40年経った今でも仕事場の片隅に飾られている。

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