蚕種免許印紙:明治5年度使用(その1)/ Silk Worm Egg Revenue: Meiji 5 (part 1)

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明治5年(1872)6月14日に発行され、同年8月31日限廃止となった明治5年度使用の蚕種印紙です。
国内用と海外用(輸出用)とが存在しますが、国内用は極めて稀少で、私のコレクションは全て海外用です。

厚手の西洋紙に黒色で印刷されたもので、シート構成は手彫切手と同じ8x5の40面。海外用で6ないし8版が存在するとのことですが、マテリアルがまだまだ少ないため、版別を議論するまで至っておりません。

目打は9〜11で、例外的に目打12, 11x12, 13が存在するようですが未見です。目打9〜11といっても、ここに示した2枚のように、実測8.5程度とかなり荒いピッチのものが多いように感じています。

印面四隅に桜紋様、外枠と内枠の間は青海波、内枠の四隅には複雑な隅飾りが彫られ、印面内枠の中には菊紋と桑の枝が描かれています。
中央には明治5年を表す「壬申」と「蚕種」が彫られ、海外への輸出用には一枚ごとに「改済」の朱印が押されています。

刷色はごく濃い黒色で、翌年に発行された手彫証券印紙1銭の灰黒色とは全く違う色調です。

蚕種免許印紙の中では最も普通に見られるものではありますが、コンディションの良いものに出会うのはなかなか困難です。

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