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三葉虫の裏側(腹側)にある唇の部分の化石です。Remopleuridesと呼ばれる遊泳性三葉虫の仲間ですが、このハイポストマの形状が特徴的でフォーク状です。この標本の見つかった場所はOgden Point Quarryと1959年開業の現役の石灰岩採掘場です。(CRH Canada社、Canada Mississauga Cement Plant、Colborne市)
オーナー
tatsutoy
ネヴァダ州というと、基本的には三葉虫関連ではカンブリア紀の層が大半を占めております。そんな中でこちらウェンバン累層 (Wenban fm) は、ネヴァダ州でも中央に位置するSimpson Park Mountainにある地層で、同州にしては珍しいデヴォン紀の層が広がっております。 そんなマニアックな産地で産するこの種は、ヴィアファコプス・クラヴィゲル (Viaphacops claviger) 。異色の産地の異色の巨大なファコプス類であります。ウェンバン累層は地層の変形が激しく、押しつぶされたように圧がかかった標本が多いです。本標本もプレスされたように押しつぶされております。 特筆すべきはその特異な風貌。全長100mmオーバーと、ファコプスの仲間ではモロッコの巨大種ドロトプス (Drotops) に匹敵する巨体を有し、髭のような自由頬から伸びる棘や、軸葉から垂直に伸びる棘(本標本では残念ながら摩耗しております) を持つなど、相当な変わり種のファコプスであります。サイズ感の比較用に写真8枚目で、一般サイズのファコプス (NY州のEldredgeops rana) と並べております。 ファコプスにもこんな種がいるのかと、認識を改めてくれる種です。
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イタリア、地中海サルディーニャ島でも化石が見つかります。激しい大陸移動の影響による島だからこそ古生代地層が露出したのではないかと考えます。当種は三葉虫近縁の節足動物だと考えられています。また、イタリア固有の化石なのか、他の地域でこの種が話題になった記憶がないです。一般向け書籍では2010年のThe Back to the Past Museum Guideがデビューでしょうか。 特徴は、全体がのっぺりしていて、尾部よりも大きくて丸い頭部、少ない体節ですが、三葉虫感はあります。
スウェーデンのオルドビス紀三葉虫の、ステノパレイア・オヴィフォルミス (Stenopareia oviformis) です。ボダ石灰岩累層 (Boda limestone fm) 産です。 同地域では90種ほどの三葉虫が見つかるようですが、特にEobronteus、Holotrachelus、Bumastus、Isocolusなどが、まれに市場で確認出来ます。これらが局所的な場所に、大量かつ佃煮状に産出すると言う、特徴的な産状があります。上に挙げた中ならば、Isocolus以外は完全体は皆無なのですが、サイズが割合大きく (※ Isocolusは極小) 、質感や色合いも素晴らしい為、部分化石ながらとても見栄えがします。 本標本も頭部と尾板のみで、しかも分離しておりますが、特に頭部が質感良く残っています。ぷっくりと膨れた頭部とちょこんと飛び出た小さな眼は中々の見もので、イラエヌス系特有のとぼけた表情が実にコミカルでもあります。
こちらは、スピナマクロピゲ・ダリエンス (Spinamacropyge daliens) 。 中国でも南に位置し、ベトナムとも接している、広西チワン自治区のサンドゥ累層 (Sandu formation) 産の種であります。サンドゥ累層はカンブリア紀でも、オルドビス紀にほど近い時代の産地であり、カンブリア〜オルドビスの生物の変遷がよく分かります。最近研究もホットになりつつある時代であります。 本種はそんなサンドゥの、それなりの希少種。半円状の頭部、長い頬棘、美しく流れるような胸棘と、なんとも美麗な種であります。サンドゥ産は妙な形状の種が多いのですが、そんな三葉虫群の中にあって、この種は正統派な見た目です。ぼんやりとした、境界不明瞭な保存状態の標本が多いのですが、この標本は細部に至るまで奇跡的な保存状態で残っています。 スピナマクロピゲ (Spinamacropyge) の名が示すように、棘を持つ (spina) 大きな (macro) 尾部 (pyge)が特徴的で、特に尾部の形は団扇のようで、面白い見た目だと感じます。 正直、パッと見はレドリキア類に見えます。しかしどうやら、他のサンドゥの多くの種同様、アサフス目 (Asaphida) のようなのです。超科で言えばAsaphoidea。アサフス目は、そもそもが、かなり範囲の広い分類群であります。サンドゥと同時代のフーロンギアン (Furongian) の産地である、カナダのマクケイ産 (Mckay) の種々の三葉虫も、殆どがアサフス目ですが、見た目は凡そアサフスらしくありません。アサフス目とはそういうものなんだろうなぐらいの気持ちで考えております。
当ミュージアムのエントランスのアイコンにもなっている三葉虫です。 この不思議な形状の芋虫のような三葉虫は、スファエロクソクス・ブリタニクス (Sphaerexochus britannicus) 。ブリタニクスの名が示す通り、英国の種であります。英国のウースターシャー (Worcetershire) のマルヴァン (Malvern) の産です。 マルヴァンはユネスコジオパークにも登録されている、シルル紀の重要産地であります。地理的に近く採掘が禁じられているダドリー (Dudley) と共に、英国の古典的産地として有名であり、今やそれら産地の化石が市場に出回る機会は限られています。 スファエロクソクスは大きく膨らんだ頭部を特徴とし、胸部は芋虫のようで、尾部は丸いフリルのような構造を持ち、やや地味な見た目ながら、良く見ると実に奇妙で面白い種でマニア受けする種かと思います。他に、スウェーデンや国内でも類似種が産出する事が知られていますが、頭部や尾部だけの部分化石が大半です。 本種は部分化石すら市場に出回る事は珍しく、特に胸部が何故か非常に残りづらい為、このような全身が揃った完全体は世界的にも極めて貴重です。シルル紀を代表する三葉虫の一つでありながらも、独特な形状を持つ超希少種と言えるかと思います。 追記(2023/3/5): Sphaerexochus mirusという、本種に極めてよく似た (もしくは同じ) 種がおり、例えば、英国三葉虫書籍Trilobites of the British Islesには、Sphaerexochus mirusの方しか掲載されていません。 これに関して、S. britannicusとS. mirusは、同一種であるという説 (Thomas AT. British Wenlock trilobites. Part 2. Palaeontographical Society Monographs (London) 1981;134:57–99.) と、尾部の形状から異なる種であるという説 (Ramsköld L. Silurian cheirurid trilobites from Gotland. Palaeontology (Oxford) 1983;26:175–210.) があり、意見が割れているようです。 ここでは、提供者氏からの学名のまま、S. britannicusの方を採用して記載をしておきます。
Pharostoma pulchrum vokovicenseとも言われるチェコのPrionocheilusです。表面が顆粒で覆われ、部分化石ながらも保存状態が良好です。ロキツァニ近郊で採取され、ノジュールの母岩です。 1000種も見つかっているボヘミアの三葉虫達は古くから研究され、この地層の丸いノジュールに収まった本種はオルドビス紀の浅瀬で暮らしていた事が判明しています。 最近の研究では消化管位置まで特定されており、チェコボヘミア三葉虫研究が脈々と今日まで続いている事に驚きます。 Geologica Acta, Vol.16, Nº 1, March 2018, 65-73 DOI: 10.1344/GeologicaActa2018.16.1.4
Odontoplleuroidea科に属する三葉虫は、オルドビス紀からシルル紀、デボン紀と長期に渡り、その姿をほとんど変えずに生存し、かつ化石は世界中で見つかります。有名なものは、モロッコ産のレオナスピスや、オクラホマ産のケトネラスピスです。Girvan産の当標本も小さいながらも頬まわりの細かな棘などその特徴は良く判ります。母岩からそのまま割って取り出したのか、一部欠けはありますが、仮に自分で採掘した際に、プレパレーションなしで化石の全容が出てくるときっとワクワクする事でしょう。
West Shropshire産の「リカス」にしては比較的ポピュラーな種になります。とはいえ、完全体の標本はなかなかお目にかかれないです。ごつい頭部と棘が目立つ尾部の部分化石になります。
写真1, 2はPerrector, 写真3はResseropsとして流通していました。基本的には同じ種類と考えて良い様です。Richteropsとも呼ばれます。ただし、同じと言っても、例えば写真1と2では、尾棘や尾板の大きさが異なります。厳密には区別するべきだと思うのですが、まだきちんと分類・整理がされていないのでしょうか。 写真1, 2 Perrector brevilimbatus Amouslek Formation Amouslek, Morocco 写真1: 最大幅 42.5mm 写真2: 最大幅 18mm 写真3 Resserops fallri Amouslek Formation Tazemmourt, Morocco 最大幅 16.5mm
Sanchan
カンブリア紀の巨大なオレネルス、オレネルス・フレモンティ (Olenellus fremonti) です。 オレネルス類はカンブリア紀を代表する一派で非常に多くの種がいますが、その多くは似通った形状をしており、なかなかその区別は難しいです。 この中でも、オレネルス・フレモンティは頭鞍が発達しており、頭鞍先端が頭部の辺縁に重なる事から、比較的容易に区別が可能です。100mmを越える巨大なサイズにまで成長する事も特徴的で、本標本も150mmをオーバーしており、大迫力の標本であります。5億年以上前の化石ですが、まるで母岩の中を泳ぎ回っているようなハッとする美しさと生々しさがあります。私のコレクションを代表する重要標本であります。 オレネルスは当時大繁栄した種であり頭部標本の部分化石だけならば、出回る機会は比較的多く、オレネルスの中で比較的希少なこのフレモンティでも、しばしば頭部化石を見かけます。一方、オレネルスは胸部〜尾部が脆弱で、余程の幸運に恵まれなければ化石化しにくい種でもあります。それ故、このように全身が残る標本はかなり希少と言えます。頭部化石のそれなりの多さと、全身化石の希少さを総合的に考慮して、レア度としては★3としました。
外殻が融けており、頬や尾部にある棘がほぼ消失しています。残念ながら、本標本に関しては詳しい情報を持っていません。 近くのGirvan, オルドビス紀産地からは、大型のチェイルルス、Hadromeros kiesleyensisが産出しており、岐阜の著名な三葉虫化石コレクター、立松正衛先生所有の標本と比較し、頭鞍部の顆粒を除いて、それに近似しています。
ロクマノオレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) の完全体化石です。7枚目でNo. 2の同種の化石と、8枚目で同程度のサイズのオレネルス・フレモンティと比較しています。 ずっと完全体に憧れていた種でありますが、ようやく入手する事ができました。 本種は分類上は、レドリキア目 (Redlichida) -オレネルス亜目 (Olenellina) -オレネルス超科 (Olenelloidea) の中の、ビケラトプス科 (Biceratopsidae) に含まれております。ブリストリア、フレモンテラ、ペアチュラなど、オレネルス類の中でも異色の形態を持つ種を含むグループであり、本種も負けず劣らずの奇妙な形態を持つ種であります。 特に頭部が特徴的で、前方に寄り気味の頬棘 (genal spine) に加え、後方のintergenal spineが非常に発達しており、まるで頬棘が2つあるように見える実に不思議な種です。 5億1800-1900万年前のほぼ最古級の種でありながら、その巨大さや奇妙な見た目から、一度みたら忘れられない魅惑的な三葉虫です。
ネヴァダ州のポレタ累層 (Poleta fm) で産出するこの怪物は、ロクマノレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) と呼ばれています。胸部の一部と尾部を欠いた部分化石ですが、70%程が残っていて、全体像がよく分かります。8枚目写真に見るように、この種の幼体、及び別種のオレネルス類 (Teresellus goldfieldensis?) のventralも共産しております。 最も最初期に誕生した三葉虫のオレネルスの仲間ですが、実際、累層の時代はカンブリア紀前期 (Lower Cambrian, Series2, Stage3) と非常に古い時代の種です。 なんと言っても、この種の特徴は、頭部から巨大な頬棘が2対出ている事 (Double genal spinesなどと呼ばれます) であります。このような特徴を持つ三葉虫は、私の知る限り、ロクマノレネルスの一派だけです。 類似種に、ロクマノレネルス・ペンタゴナリス (Lochmanolenellus pentagonalis) やロクマノレネルス・サブクアドラタ (Lochmanolenellus subquadrata) という種がいて、これらもDouble genal spinesを持ちます。 写真7枚目では、私の手持ちの中でもトップ5のサイズを誇る154mmのオレネルス・フレモンティ (Olenellus fremonti) と並べてみました。もし完全体なら、更に一回り上回りそうで、170mmぐらいの巨大な標本であったと思われます。
スウェーデンもゴットランド島を始め、古生代地層が広がる地域です。ノルウェーに隣接するスウェーデン、ダーラナ県ボーダ石灰岩からは、後期オルドビス紀の小さな三葉虫達が見つかります。これらは目が退化しており、暗所で生活していたのだとされます。恐らく深海ではなく、海底洞窟の様な場所ではないかと思います。 標本を見るとハルぺスに良く似ています。目が退化していると言われればそうなのかもしれませんが、標本が小さくはっきりしません。資料を見るとプチコパリアの仲間とあります。ハルぺスが古い分類だとプチコパリアに含まれていたせいなのか、それともハルペスとは異なる種なのかどうなのでしょうか?
同地域で見つかる3種のアグノスタスの中で一番採取頻度が低い種類です。表面全体が浅い凸凹に覆われ、シワシワしています。
ウミユリの茎に囲まれるように産出したこの美しい三葉虫は、ガブリケラウルス・デンタトゥス (Gabriceraurus dentatus) といいます。オルドビス紀のカナダは数々の美しい綺羅星のような、ケイルルスを産出する事で有名であります。中には写真でしか見た事のないような超希少な種もいますが、この種は、その中でも比較的良く知られた種です。 最も一般的な北米のケイルルス/ケラウルスである、ケラウルス・プレウレザンセムス (Ceraurus pleurexanthemus) にベースは似ています。ただ、40mm前後のサイズがせいぜいのプレウレザンセムスよりも明らかに大型となる事が知られており、また頬棘と尾棘が長くて発達している事が特徴的です。本標本でも70mm近くと結構大きいのですが、本種の本当に大きな標本は100mmをoverするものさえあり、大迫力であります。 この標本は全てのパーツが良く残っており、何より周囲に散らばるウミユリの茎が、この標本の美しさを際立たせています。右胸部の棘の間にウミユリの茎が複雑に絡んでいるのも面白いです。当時、おそらくウミユリの陰に潜んで生活していたのではないかという事が想像できて楽しい標本です。 かなり希少な種ではあり、★4をつけても良いかと思いましたが、同産地のケラウリヌス・マルギナトゥス (Ceraurinus marginatus) と比べると産出量は多く、★3つとしました。
Eodiscus punctatus ‘Plutonites hickii’ biozone of St. Davids, South Wales, UK Middle Cambrian 全長 3mm かなり小さい標本ですが、拡大してみると、この様に大変に面白い形をしています。なかなか珍しい種類です。 Agnostina(アグノスタス亜目)は新分類では三葉虫では無くなりましたが、このEodiscina(エオディスカス亜目)は三葉虫の範疇に残りました。典型的な三葉虫とアグノスタス亜目を結ぶ様な存在だと言えましょう。
スウェーデンのゴトランド島 (Gotland) で出土した、エンクリヌルス・プンクタトゥス (Encrinurus punctatus) です。産出層は諸文献から推定するに、ゴトランドのスライト床 (Slite Beds) で、故に時代はシルル紀中期のウェンロッキアン (Wenlockian) と思われます。 方々のコレクターのコレクションを転々とした標本で、10年ほど前から憧れていた個体だったのですが、先日譲っていただき、ひとまず私の所に落ち着くこととなりました。 ゴトランドのエンクリヌルスとしては非常に巨大で、飴色〜黄土色の色味が極めて美しいです。 実際の標本は白色光下では、もう少し明るい色をしています。母岩も実際は青味がかった泥灰質のマトリックスであります。標本本体と母岩とのコンストラストがこれまた美しく、惚れ惚れする標本です。 ゴトランドのエンクリヌルスといえば、通常は、小型のマクロウルス (E. macrourus) を指し、本種とは産出層、サイズ、色合いから形状まで全てが異なります。他方、本種のような特徴を持つゴトランド産のエンクリヌルスは、この標本以外で見かけた事が一切なく、プンクタトゥスという種名を含め、昔から疑問でありました。 その後の調査で、産地や特に頭鞍周りの特徴から、本種は確かにエンクリヌルス・プンクタトゥスであり、中でもFormCと呼ばれる一群であろうと考えております。 そのあたりの話は長くなる為、拙ブログで報告しております。
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