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大阪環状線はまだなかった
省線と大阪市営地下鉄(大阪市電気局)の連帯運輸をPRするマッチラベル。
連帯運輸は連絡運輸のことで、一枚の切符ないしは定期券で省線と大阪地下鉄の各駅を結ぶもの。
それまでの鉄道は会社ごとに出札窓口で切符を買う必要があったわけで、省線から地下鉄に乗り換えるためには省線で1枚、地下鉄で1枚の切符を買わねばならなかった。
これはまあ、今でもそういう買い方をすれば買うことは可能ですけどね。
1枚の切符で済むならば、わずか数分とはいえ時間の節約になり、出札窓口での混雑もちょっぴり改善され、回り回って利用客の利便性向上につながるというわけ。
他の例が分からないのでアレですが、当時としてはそこそこ画期的なことだったんじゃないでしょうか。
連帯運輸はこのマッチラベルの場合、大阪地下鉄の各駅から、省線の京都-兵庫駅間と、途中で分岐する尼崎から宝塚まで、さらに大阪から現在の桜島駅である天保山駅までの西成線全線が扱い範囲。
この時代、西九条より南に線路はなく大阪環状線というものは存在していなかったため、平仮名の「つ」みたいな形の路線でした。
ラベルに描かれている地下鉄の車両は100形。
ニューヨークの地下鉄車両にインスパイアされた、先頭車の特徴的な転落防止柵もちゃんと描かれています。
この100形は現在も1両が保存されており、NHK連ドラの「ごちそうさん」にも登場しました。
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