東急が困った駅名

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昭和7年に開業した現・銀座線の三越前駅。
そこで昭和10年の4月12日の押されたスタンプ。
三越の建物と駅のホーム、電車、お客さんが描かれています。
真ん中にあるのはアルファベットのTとCを円形にデザインした東京地下鉄道の社紋で、現在の1000系電車の特別仕様車である第39、40編成の側面にも掲出されてます。

スタンプに描かれているのは1000形電車で、現在の1000系の1000という形式はこれをインスパイアしたものとなります。

デパート回り乗車券が発売されるほど銀座線の沿線は百貨店が多かったけど、三越前という駅名になったのは諸説ありますが、駅の建設費を三越が全額出したからというのが定説のようですね。

隣の日本橋駅も白木屋と高島屋が資金を負担してますが、三越のように全額ではありません。
しかし一部とはいえ負担してくれたので、「白木屋・高島屋前」という副駅名がありました。
白木屋はその後、東急百貨店になりまして、その日本橋東急もなくなってしまいましたが、当時銀座線に乗って日本橋に近づくと、渋谷行き(A線)の場合は

「次は日本橋、日本橋。高島屋、東急百貨店前」

浅草行き(B線)の場合には

「日本橋、日本橋。東急百貨店、高島屋前」

ってアナウンスしてまして、思い出すと懐かしがるおっさんです。

三越前駅にはその後、平成元年には半蔵門線も繋がりましたが、当駅が同線の当座の終着駅だったころ、乗り入れ先の東急田園都市線では行き先に同じ日本橋に店を出す東急百貨店のライバルである三越という店名が入るため「渋谷方面行き」とか「半蔵門線直通電車です」など、極力「三越」とアナウンスしないよう苦労したらしいです。

とはいえ、半蔵門線三越前から水天宮前までは翌年の平成2年に延伸されてるので、そんなに長い期間ではなかったですけども。

※半蔵門線の三越前駅にはさすがの三越も金は出してないらしい

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