北の大地の大演習

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昭和11年に行われた昭和天皇の北海道行幸。
それを記念したスタンプです。

日付は10月6日になってますが、行幸自体は9月24日から始まっており、日程は次のようになっていたようです:

【9月】
24日:皇居出発
26日:御召艦比叡で室蘭着(日本製鋼所など)、市内行幸後、旭川へ(第7師団、旭川師範学校など)
27日:釧路行幸(釧路港など)
28日:釧路発、根室町行幸(町内各所)
29日:帯広行幸(北海道製糖帯広工場など)
30日:大樹村行幸(拓殖実習場など)
【10月】
 1日:札幌行幸その1(北海道帝大農学部=大本営設置)
 2日:同
 3日:陸軍特別大演習第1日(大元帥として統監)
 4日:同第2日(同)
 5日:同第3日(同)
 6日:観兵式、札幌行幸その2(8日まで、控訴院、道庁など)
 9日:小樽行幸(小樽高等商業学校など)
10日:函館行幸(水産試験場支場など、御召艦比叡で出発)
12日:皇居帰着

スタンプが押された日はまさに昭和天皇が札幌に滞在中だったことになりますね。

3週間近い行幸だったわけですが、一番日にちを割いたのは陸軍特別大演習。
演習はいずれも満州での実戦経験がある弘前の第8師団が南軍、旭川の第7師団を北軍として行ったもので、広い北海道を中国に見立て、ソ連軍侵攻に備えたものだとされています。

陸軍特別大演習は明治25年から計35回行われましたが、この北海道が最後のものとなりました。

使われている切手は「郵便創始50年」記念のもので、4種類あるうちこの1銭5厘のものは545万枚発行されたため、現在の価値では一番低いもののようです。
描かれているのは郵便旗と日本で最初に発行された「竜文切手」で、4銭切手も同じ図柄ですが色は赤ベースで24万枚発行。
3銭と10銭切手には逓信省庁舎が描かれ、3銭のものは茶色ベースで545万枚、10銭は青バージョンで発行枚数は一番少ない10万枚なのでプレミアムもんだそうです。

スタンプが押されているのは大演習記念の絵葉書で、当時としては上質な紙が使われているためスタンプの乗りも非常に良いです。
シワになっているように見えるのは、描かれている鳳凰の翼部分です(2枚目の絵葉書参照)。

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