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- 1940年代製作 ポールセン・スコーン ビスポーク サイドゴアブーツ
1940年代製作 ポールセン・スコーン ビスポーク サイドゴアブーツ
1940年前後の製作と思われるポールセン・スコーンの美しいビスポークチェルシーブーツです(サイドゴアと言っていいのか微妙ですが)。黒のカーフと下腿部(足首から上)はシボの入った柔らかい革が使われています。後方ふくらはぎ側が高くなっている独特の形状です。正確な製作年は分からないのですが、細身のトゥシェイプ、ヒールの小ささ、緑のライニングの中の「デュークストリート」の住所から相当古い靴(恐らく1930-40年頃)だと思われます。流石に両サイドのゴムの弾性は失われ、そろそろ交換の時期だと思っています。
ポールセン・スコーンの歴史について簡単にご説明します。
1854年にジョセフ・ゲインがイギリス・イートンに靴工房を開きます。名門イートン校の子弟の靴なども製作しました。その技術がヴィクトリア女王に認められ、王室お抱え靴職人として活躍します。彼は50年もの間、女王のお抱え靴職人を務めました。その間、女王の靴だけでなく、夫君のアルバート公など多くの王族のための靴を作りました。名士となった彼は1892年にウインザー市長に就任します。
ジョセフ・ゲインは、自らの・工房に優秀な職人を雇い入れましたが、その中にデンマーク人のポールセンとスコーンがいました(当時、北欧や東欧から靴職人さんが英国で仕事することが多かったようです)。ジョセフ・ゲインの元で経験をつんだ二人は、1890年デューク・ストリートにビスポーク靴工房“ポールセン・スコーン”を開業します。1960年代にゲインの工房を併合しますが、そのポールセン・スコーンも1972年にジャーミン・ストリートのニュー&リングウッドに合併吸収されることになります。
ちなみにジョセフ・ゲインの名前はポールセン・スコーンのロゴにも残されていますが、師匠に敬意を示してのことだと思われます。
mjmat
2022/06/18 - 編集済みゴム,交換できるんですねぇ。古い靴は,手を付けるのが怖そうですが。普通に靴修理の方にお願いするのでしょうか?
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グリーン参る
2022/06/18はい、普通に修理できます。ただ腕がいいのはもちろんのこと、部材を豊富に揃えている工房にお願いしたいと思います。この時代の表面が絹のように滑らかなゴム生地を持っているお店を探しますが、なければ自分で生地を探す必要があるかもしれません。
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mjmat
2022/06/18材料を持ち込んでお願いするわけなのですね。
シンプルに格好の良いデザインのブーツだと思います。
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