四寸重 「空蝉(うつせみ)」

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四寸の小型の四段重です。紐と菜種を使った「空蝉」という変り塗です。
若狭塗は小さなお重に大変素晴らしい作品が多いのですが、このお重も本当に丁寧に作られています。重縁まで変り塗が施されています。内朱で底は黒漆。二方桟の狂いも全くありません。書付などはありませんが、明治初期の製作と思われます。塗りも木地も日本最高水準の出来と言っていい仕上がりです。
箱は合わせ箱のようで、箱の包みが紙で作られていますが、大正6年の文字が印刷がされた紙を裏打ちして使っています。

この作品は金沢の漆芸家の方に1年掛けて修理して頂きました。購入額の5倍くらい費用がかかりましたが、これでこのお重は今後30-40年(つまり私が死んだあとまで)は大丈夫です(笑)。

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