南海2200系電車

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新製から20年以上が経過した22000系電車“通勤ズームカー”を継続使用するにあたって、腐食や老朽化の進んだ車体各部の修理や接客設備の近代化、機器類の保守性向上といった更新工事を実施することとなり、これに伴って車両の形式・車体番号を変更して当形式となったものであり、1994(平成6)年に登場している。

車体は側面構体や外板、屋根板、雨樋、床板等、大部分の部材を交換し、外部塗色もライトグレー地に青とオレンジの帯に改められたほか、客室内では車椅子スペースの設置や化粧板・床材の全面張り替え、荷棚の交換、案内標記類のピクトグラム化等が実施された。また、車両保守の面では、乗務員室内の機器配置変更や表示灯類のLED化、電動空気圧縮機の改造と除湿装置の新設、ハンドブレーキの撤去といった改造が行われている。

なお、更新工事実施当時の南海の車両情勢により、本形式への更新後も高野線で継続して使用する車両(通称2200型)は少数にとどめ、大半の車両は高野線から転出させて南海線の支線(いわゆる汐見橋線を含む)或いは貴志川線で使用させるため、それぞれに適した改造が併せて実施された。

南海線の支線用車両(通称2230型)では、制御装置から急勾配線区での運転に適する機能を解除し、先頭部の連結器交換と幌の撤去、床面高さの変更といった改造を追加した。また、貴志川線用の車両(通称2270型)には、南海線・高野線との電車線電圧の違い(南海線・高野線は1500V、貴志川線は600V)により各種回路を複電圧仕様として機器類に変更が生じたのを始め、双方とも電動車だった2両編成のうちの1両を非電動車とした上、先頭部の連結器交換と非貫通化、運賃収受式ワンマン運転対応化といった改造がなされた。

この後、1997(平成9)年には高野線用の2200型が全て南海線の支線用に再改造されたほか、2006(平成18)年には貴志川線の和歌山電鐵への事業譲渡と共に2270型が全て譲渡されている。更に2009(平成21)年には、2200型のうちの1編成に高野線での観光列車「天空」に用いるための改造が施されている。

#南海2200系 #南海2230型

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