近鉄2400系電車

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1960年代半ばになると、車両の総合的なコストダウンを目指し、カルダン駆動方式に関わる技術向上を踏まえてMT(電動車と非電動車)比率の見直しを行うと同時に、一般車の仕様統一も図られることとなった。これらを生かし、大阪線向けとして1966(昭和41)年に登場したのが本形式である。

従来のカルダン駆動車では全てが電動車、或いはMT比率が2:1といった電動車の比率が高い編成を組まざるを得なかったが、主電動機の出力が向上したことによって本形式ではMT同数の編成が可能となった。
制御装置には大阪線向けの一般車として初めて電動カム軸式が採用された他、補助電源装置や空気圧縮機を非電動車に搭載することで編成中の重量配分の均等化も図られた。また、車体外部塗色もマルーンの単色塗装へと改められている。

本形式の後は、ラインデリアと通称される強制通風装置を搭載し空気バネ台車も採用した2410系が1968(昭和43)年に、3両編成列車への投入のために設計変更を行った2430系が1971(昭和46)年に、新製当初より冷房を装備して名古屋線との共通車両ともなった2800系が1972(昭和47)年に、それぞれ大阪線向けの一般車として登場しており、これらは2400系を基にして展開・増備された形式である。

そして、一般車同様の片側4扉を持ちながらボックス式クロスシートを備えた急行用車両として、2600系が1970(昭和45)年に、新製当初より冷房装備の2610系が1972(昭和47)年に登場しているが、これらもまた2410系以降の機器類を受け継いでおり、2400系の延長上にある車両だと言える。

2400系として登場したのは2両編成6本のみにとどまったが、大阪線向け一般車と急行用車両のレベルアップ、更には近鉄における高出力電動機の普及において大きな役割を果たした形式である。
なお、本形式も登場後はATS(自動列車停止装置)や列車無線装置等の保安機器類の設置、冷房化、車体外部塗色の変更といった種々の改造工事が実施されている。

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