型吹き 鎬(しのぎ)コップ

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いわゆる剣先コップの類品である。型吹きなので明治頃のものと言われているが、詳しい年代ははっきりしない。細かい縦筋を鎬(しのぎ)といい、やはりイギリスなどのタンブラーに見られるカット装飾を真似たものと思われる。このようなコップは当時安価であったと思われ、庶民の雑器であるがゆえに野趣がある。この手のコップには大中小といくつかの大きさがあるが、高さ約7㎝・口径約5㎝ほどのサイズは酒器にも程よく人気がある。しかし、水呑みコップとしては少々小さいが故か、数はあまり多くない。型吹きによるガラスの不均一さがもたらす光の揺らぎは、太陽光の下で見ると何とも言えない美しさである。

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