- Mahaltaji Museum
- 2F 銅鉱物
- 鉱物標本 シアノトリカイト(Cyanotrichite)
鉱物標本 シアノトリカイト(Cyanotrichite)
別名:青針銅鉱、青毛鉱、Velvet Copper Ore
産地:中国、貴州省
青色の針状結晶が特徴の銅鉱物。その毛髪状の結晶から名前もギリシャ語の藍色の"κυανός"+毛髪"θρίξ"から付けられ、和名も同様である。ただ本標本は塊状で産出しており毛髪状結晶は見られない。
シアノトリカイトは水酸硫酸塩鉱物であるが、硫酸の一部が炭酸に変わったカーボネートシアノトリカイトが存在し、現状ではXRD(X線結晶構造解析)以外の方法で両者を判別することが出来ない。そも、標本として出回っているものの多くがカーボネートの方であるとの話もある。カーボネートについては完全に炭酸塩に置換したものが存在する可能性や固溶体を形成するかはっきりしたことが判明していない等、未だ分かっていない事が多い。
本標本は中国貴州省産と記載されていたので恐らく黔西南プイ族ミャオ族自治州、晴隆県、大廠アンチモン鉱石地帯にある晴隆鉱山(大廠鉱山)で採掘されたものではないかと個人的に思っている。同地から採掘された他の標本から本標本の白色~透明部はジプサム(石膏)であると思われる。
2020年、ミネラルマルシェで購入。