- Mahaltaji Museum
- 2F 銅鉱物
- 鉱物標本 アズライト(Azurite)
鉱物標本 アズライト(Azurite)
別名:藍銅鉱、紺青、mountain blue
産地:Morocco
ラピスラズリやラズライト同様に古代ペルシャ語で蒼穹を意味する"lazhward"が語源。1824年にFrançois Sulpice Beudantによって鉱物名が"azurite"へと正式に変更された。
マラカイトと同様にCu2+からなる塩基性炭酸塩銅であり、d-d遷移によって緑~青色を呈するCu2+塩の中でも特に深い青色を示す。そのため古くから世界各地で青色顔料として用いられ、プルシャンブルーが人工合成されて江戸時代に日本に輸入されるまでは日本でも紺青の名前で利用されていた。
組成式から分かる通り、マラカイトよりも若干炭酸リッチであり、その差は生成条件の違いであり、マラカイトが炭酸カルシウム等から供給されるアルカリ条件下で生成するのに対し、アズライトはアルカリ分が減ってCO2リッチになった弱酸性~弱アルカリ条件下で生成する。そのためアズライトはマラカイトよりも希産であり、かつマラカイトと共に産出する傾向が多い。顔料として利用する場合はマラカイトと選り分ける手間がかかるため、より希少となった。因みにアズライトとマラカイトが一緒になったものはアズロマラカイトと呼ばれ、共産鉱物として有名である。
2010年代、科博にて購入。