飾花瓶 銘「氷紋」 藤井朱明

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佐賀県有田町の陶芸家、藤井朱明氏の作品です。同氏は日展作家さんで、木の葉技法の巧として有名です。
2017年にお亡くなりになられています。

これは、全体に氷の結晶のような文様を凹凸で浮かび上がらせ、その表面に、呉須を滲ませるような太いラインが曲線を描いています。口は小さく、花瓶としての実用性はありませんので「飾花瓶」とされたのかなと思います。

この方の作品としては、木の葉技法を用いた杉林が幾重にも連なるような山並みの文様が有名ですが、この「氷紋」は、あまり見かけません。

そう思って、ネットオークションで確認をしたら、この「氷紋」と同種の技法を用いた花瓶が安価で出品されていました。

陶芸の場合、骨董ででもなかれば価格は上がりません。辛うじて、人間国宝クラスで維持されるくらいです(それも限られますが・・・)。そういう意味では、芸術としては認められていません。おまけに、安価な量産食器などの台頭で、産業全体としても衰退しています。陶磁器好きとしては残念です。

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