銀河釉作品 銘「遥かなる長安」

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佐賀県武雄市の陶芸家、中尾哲彰氏が創出した銀河釉の作品で、銘は「遥かなる長安」です。

オリジナルは「2001 モナコ日本文化フェスティバル モナコ公国名誉賞」「2010 タイ王室ソムサワリ王女芸術賜杯」を受賞している非売品で、これは、その姉妹品ということになると思います。
「茜銀河」という釉薬を用いた作品ですが、オリジナル(窯元のHPにあります)に比べると、表面を覆う結晶がボリューミーです。

中国の漢から唐の時代、その都の長安(現在の西安)からローマにかけてグローバルで自由な文化圏が構築されていました。その時代への共感と未来へ向けた文化の再生の願いが込められているとのことです(以上、HPより)。

端正な器の形状は紀元前15世紀頃にレバノンで発生して広まり、シルクロードの交易などで、ギリシャ・ローマからワインやオリーブオイルなどを入れて東方に運搬する際に使われた器「アンフォラ」に着想を得たとおっしゃっているのを聞いたことがあります。

このかたちの器は複数つくっていらっしゃるのですが、かけられている釉薬に関わらず、すべてに、同じ「遥かなる長安」という名称が使われています。
この器の姿に込めた作家の中尾氏の強い思いがあるのでしょうね。

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