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犬神の悪霊(たたり) DVD
昭和52年(1977年)に公開された東映映画『犬神の悪霊(たたり)』は、「日本初のオカルト映画」という触れ込みで製作された作品です。
この映画も1980年代初めにVHSのビデオソフトが発売されただけで、長い間、視聴が困難な作品でした。劇中、犬の首を刎ねるシーンで本物を使っているからとか(生き埋めにされているのは本物ですが、首を刎ねられているのはもちろん作り物)、犬神憑きの家系として忌み嫌われている家の描写が部落差別を思わせるから封印されている...などと実しやかに囁かれていましたが、平成19年(2007年)に突如、東映ビデオから発売されたのがこのDVDです。奇しくも『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の海外正規版である『HORRORS OF MALFORMED MEN』とほぼ同時期の発売でしたが、こちらも永らく封印作品扱いされていただけにやはり好事家たちの間で大きな話題となりました。もちろん私もすぐに入手しました。
『エクソシスト』『オーメン』といったオカルト映画ブームの流れに便乗する形で製作され、タイトルも前年に大ヒットした『犬神家の一族』にあやかっているところなど、如何にも流行りものに敏感な東映らしい作品ですが、キワモノ土着オカルトなストーリーの中にもウラン鉱脈を巡る原発利権の闇といったものも描かれていて、そういった意味では社会派の顔も持つ伊藤俊也監督らしい作品、ともいえます。現在の目で見ると物凄くチープな面も目立つし、突っ込みどころも満載ですが、それでも異様なテンションで最後まで押し切ってしまう、まさに'70年代ならではの怪作です。
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