Friedrich Nagy Bespoke フリードリヒナギー ビスポーク

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 世界靴読本で有名になったNikolaus Tuczek(ニコラス・トゥーシェック ※タックゼック、トゥーシェク、テューチェックとも)。イギリスのヴィンテージビスポークシューズ界隈ではAnthony Cleverley(アンソニー クレバリー、本人ビスポークの方ね)と並び、否、それ以上に希少価値の高い(とされる)ビスポーク靴です。マニアな世界ではよく知られたシューズ。
 一方中欧で、ほぼ同時期に素晴らしいビスポークシューメイカーが居た事をご存じだろうか?
Friedrich Nagy(フリードリヒ・ナギー)

歴史を振り返ると
1918年 第一次世界大戦の敗戦でオーストリア=ハンガリー帝国解体、第一共和国になる
1927年 オーストリアはウィーン・ミヒャエル広場につながるハプスブルガーガッセ通り(現在モンブランやロンシャンのある通り)で工房”Béla Nagy(ベラ・ナギー)”を開店。
1938年 ナチス・ドイツによるオーストリア併合。アンシュルツに。
1945年 敗戦。連合国による分割占領。
1955年 独立回復。永世中立国となる。
1960年代後半に引退。

 引退する時にかのGeorg Materna(ゲオルグ・マテルナ)に顧客を引き継ぎました。Materna(マテルナ)氏、”Béla Nagy(ベラ・ナギー)”で働いていたのです。ナギー氏はマテルナ親方の親方という事になります。王宮の傍に店を構えていた事を考えると顧客はやんごとなき方々だったと思われます。また、20世紀オーストリアの建築家Adolf Loos(アドルフ・ロース)の書籍の中でのNagyシューズ/ブーツの優れた品質について書いたとの事。(未見です。)「装飾は罪悪である」という彼の主張から推察するにシンプルで堅牢であった彼の靴は気難しい建築家が好きになるモノであったと思われます。

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  • 此れ良いですねぇ!

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    • コメントありがとうございます。恐らくカレの作品は国内にこれ1足のみかと。イントレチャートの靴、初見でしたが、中欧では割とポピュラーなようです。

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