ユーゴスラヴィア王国 100ディナール

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第一次世界大戦後に成立し後に枢軸国によって滅ぼされたユーゴスラヴィア王国の紙幣。フランスの紙幣に似た鮮やかな刷色と芸術的なデザインが美しい。特に裏面のデザインが好きである。ユーゴスラヴィア王国の紋章である白い双頭の鷲や果物を持つ少年、中央の船の図案の刷色てデザインが第二次世界大戦以前に発行されたとは思えないほど美しい。
表面はスラヴ系民族の固有の文字であるキリル文字、裏面はラテン文字で表記されている。ちなみに現在でもセルビア語ではキリル文字とラテン文字が併用されているようである。
ロシア語では「百」をсто(ストー)と言うがロシア語と同じくスラヴ語派に含まれるセルビア語でもстоと表記するのを見て改めて同じ語族なのだなぁ、と感心した。
表面を見ると"Београд, 1 децембар 1929"と印刷されているが、これを片仮名表記すると"ベオㇰ゙ラード,1 デーツェㇺバㇽ 1929"となるがデーツェㇺバㇽは英語のディッセンバー(12月のこと。同じ語族だから発音がよく似ている)であり、1929年12月1日にベオグラードで発行されたことが分かる。通貨単位はдинар(ディナール)だがスラヴ語族に有りがちな複雑な複数形の規則によってдинара(ディナーラ)となっている。

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