縄文土器 大洞式系小壺土器

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【推定年代】
縄文時代後期〜晩期
【産地など】
岩手県九戸郡軽米町山内駒板

【解説】
文様や器形等から大洞式の小壺型土器と見られる完形品の壺。
大洞式(亀ヶ岡式)は縄文後期〜晩期の北東北(青森・岩手・北海道南部)に多く見られる土器様式だが、本資料には特に岩手の土器っぽい印象を受ける。
全体に撚糸文を施し、口縁部は一度円柱状に窄めたあと解放している。
大きさの割に重さは324gしかなく、超絶技術で薄手に成型されている。

弥生時代初頭にこの大洞式(亀ヶ岡色)文化の担い手だった北日本の縄文人は、新しく渡来してきた稲作技術に関心を持ったか遠く2000km離れた北部九州まで南下し、小壺土器等を搬入して当地の弥生土器成立へ若干の影響を与えた。
従って北部九州平野部で出土する弥生土器には、北東北亀ヶ岡式文化の影響を強く受けた本資料のような壺も見られる。

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