赤水晶 (red quartz) 万珠鉱山 #0399

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万珠鉱山に多く見られる母岩上に微細な水晶の結晶が集まったタイプの標本ですが、母岩と水晶の隙間にある酸化鉄(褐鉄鉱)の影響で赤く発色しているものと考えられます。1枚目のみ背景をソフトウエア処理しています。

万珠(まんじゅ)鉱山は江戸時代中期の1750年代に鉱床が見つかり採掘されたといいますが、近代になってからは1909年(明治42年)頃に採掘されて以降、所有者が何度か変わり、1934年(昭和9年)に万珠鉱業株式会社が鉱業権を取得、金・銀・銅を採掘しました。戦後は1964年(昭和39年)に金の採掘を再開し、翌1965年(昭和40年)の日産鉱量は110 トンを記録、採掘した鉱石は北に隣接する玉船鉱山に送って精錬しました。万珠鉱山一帯は、第3紀凝灰岩や石英粗面岩中の石英脈を伴う中温熱水鉱床で、金を含んだ石英脈、黄鉄鉱、黄銅鉱の鉱脈などがあり、石英脈の一部に紫水晶が生じています。

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