かつて日本に数多く存在した鉱山由来のものを中心に、国産の鉱物標本を都道府県別に展示しています。（現在30F/広島県を新築工事中）
北海道 Hokkaido
青森県 Aomori Pref.
秋田県 Akita Pref.
岩手県 Iwate Pref.
宮城県 Miyagi Pref.
山形県 Yamagata Pref.
福島県 Fukushima Pref.
茨城県 Ibaragi Pref.
栃木県 Tochigi Pref.
群馬県 Gunma Pref.
埼玉県 Saitama Pref.
千葉県 Chiba Pref.
新潟県 Niigata Pref.
石川県 Ishikawa Pref.
福井県 Fukui Pref.
山梨県 Yamanashi Pref.
長野県 Nagano Pref.
岐阜県 Gifu Pref.
静岡県 Shizuoka Pref.
愛知県 Aichi Pref.
三重県 Mie Pref.
滋賀県 Shiga Pref.
京都府 Kyoto Pref.
兵庫県 Hyogo Pref.
奈良県 Nara Pref.
和歌山県 Wakayama Pref.
鳥取県 Tottori Pref.
島根県 Shimane Pref.
岡山県 Okayama Pref.
広島県 Hiroshima Pref.
北海道には日本有数の金鉱山であった鴻之舞鉱山、美しい菱マンガン鉱を産出した稲倉石鉱山、インジウム生産世界一であった豊羽鉱山等、多くの鉱山がありました。
（カバー画像は稲倉石鉱山産の菱マンガン鉱）
青森県にもいろいろ鉱物産地がありますが、最も有名なのは特徴的な形状を持つ菱マンガン鉱を産出し、海外にも「Oppu Mine」として知られた尾太鉱山だろうと思います。
（カバー画像は尾太鉱山産の菱マンガン鉱～部分～）
秋田県にはかつて院内、阿仁、尾去沢、小坂等、近世から近代の日本を支えた多くの著名な鉱山が存在し、まさに鉱山王国の名に相応しい土地でした。
（カバー画像は尾去沢鉱山産のブロシャン銅鉱・黄銅鉱）
岩手県には明治時代に本格的な製鉄業の嚆矢となった釜石鉱山をはじめ、日本の近代化を支えた重要鉱山が存在しました。
（カバー画像は釜石鉱山産の磁鉄鉱）
宮城県には8世紀中期の天平時代に遡る国内最古の金産出地とされる黄金山（こがねやま）産金遺跡（宮城県遠田郡涌谷町）があり、またかつては100カ所以上の鉱山が存在しました。代表的な鉱山に細倉鉱山（鉛・亜鉛）、大谷鉱山（金）等があります。
（カバー写真は雨塚山産の紫水晶）
山形県でもかつて100を優に超える数の鉱山が稼行していました。金属鉱山では主として銅、鉛、亜鉛、非金属鉱山では、石灰岩、重晶石、石膏、硫黄、陶石などが採掘されました。
（カバー写真は幸生鉱山産の黄銅鉱）
福島県も各種鉱物資源に恵まれていますが、特に阿武隈山地西部の石川地方にはペグマタイト（巨晶花崗岩）が分布し、岐阜県苗木地方、滋賀県田上地方とともに「日本三大ペグマタイト鉱物産地」に数えられています。
（カバー画像は石川町の鉄電気石）
茨城県には日本三大銅山の一つに数えられる日立鉱山のほか、鉄礬柘榴石や緑柱石といったペグマタイト鉱物の産地として知られる山の尾、リチア電気石の産地として有名な妙見山など、重要な鉱物産地があります。
（カバー写真は妙見山のリチア電気石）
栃木県の鉱山では何といっても足尾銅山が有名かつ重要ですが、そのほかにもかつて日光市や塩谷町など宇都宮市北部には金鉱山、鹿沼市、栃木市、佐野市、足利市などにはマンガン鉱山が存在していました。金鉱山では万珠鉱山などのように美しい紫水晶を産出するところがあります。
（カバー写真は足尾銅山の黄銅鉱・黄鉄鉱）
群馬県甘楽郡下仁田町一帯は地質学的に貴重な資源が多数存在し、日本ジオパーク委員会により「下仁田ジオパーク」として認定されています。鶏冠石で有名な西ノ牧鉱山や、太古の大規模な火山活動で噴出した溶岩の名残である荒船山もこの下仁田ジオパークに含まれています。
（カバー写真は西ノ牧鉱山の鶏冠石）
埼玉県では2022年（令和4年）まで結晶質石灰石（大理石）の採掘を続け、またかつては大規模なスカルン鉱床から金属鉱物や様々なスカルン鉱物を産出した秩父鉱山が関東地方有数の鉱山として大きな存在でした。
（カバー写真は秩父鉱山大黒坑の方鉛鉱）
千葉県では砂鉄やヨード（地下鹹水から採取）などの鉱山が稼行していたのとことですが、大規模な金属鉱山は無かったようです。日本地質学会は千葉県の岩石として「房州石（凝灰質砂岩・細礫岩）」、千葉県の石として「千葉石（2009年発見の日本産新鉱物）」、千葉県の化石として「木下（きおろし）貝層の貝化石群」を認定しています。
（カバー写真は印西市平岡の方解石）
新潟県で最も有名な鉱山と言えばやはり佐渡金山の名前が挙がるのではないかと思われます。ユネスコの世界遺産暫定リストに掲載されており、あるいは日本で一番有名な鉱山かもしれません。新潟県は地下資源が豊富な地域で、他にも数多くの鉱山がかつて稼行し、今でも石油や天然ガスを産出しています。
（カバー写真は佐渡金山の自然金）
石川県ではあまり鉱山の数は多くなかったようですが、1880年代から約90年にわたって稼行した尾小屋（おごや）鉱山が有力な銅鉱山として知られていました。
（カバー写真は遊泉寺鉱山の紫水晶）
福井県の鉱山としては、亜鉛を中心とした中竜鉱山、銅を中心とした面谷鉱山などが知られています。
（カバー写真は中竜鉱山のモリブデン鉛鉱）
山梨県の代表的鉱物と言えばやはり水晶になると思われます。江戸時代から明治時代にかけて県内各地で大量の水晶が採掘され、貴石細工、印章、光学製品等の原料として用いられました。山梨県では今でもジュエリー産業の集積産地として著名です。
（カバー写真は水晶峠の水晶）
長野県は金、銀、銅、鉄、マンガン、硫黄等の地下資源に恵まれ、数多くの鉱山が存在しました。また、有名な水晶の産地も複数あります。
（カバー写真は御座山の水晶群晶）
岐阜県ではかつて東洋一と呼ばれた亜鉛・鉛鉱山であった神岡鉱山、日本三大ペグマタイト産地の一つである苗木地方、我が国有数の石灰岩産地で、「日本の古生物学発祥の地」ともいわれる金生山など、鉱物学、地質学上重要な場所を幾つも挙げることができます。
(カバー写真は神岡鉱山の閃亜鉛鉱)
静岡県には戦国時代以降今川氏、後北条氏、武田氏、徳川氏などにより開発された歴史ある金銀山を含めて、数多くの金属鉱山が存在していました。
（カバー写真は河津鉱山の金銀鉱石）
愛知県は比較的鉱山の少ない県ですが、武田氏に遡る歴史を持つ津具（つぐ）金山、美しいパイロクスマンガン石の産地として有名な田口鉱山、新鉱物中宇利石（なかうりせき）が発見された中宇利鉱山、石現役のセリサイト（絹雲母；化粧品のファウンデーション原料）鉱山である粟代（あわしろ）鉱山などが知られています。
（カバー写真は中宇利鉱山の中宇利石）
三重県の代表的鉱山としては銅鉱石をはじめとして多様な金属鉱物を産した紀州鉱山、古来水銀原料の産地であった丹生鉱山が挙げられます。
（カバー写真は紀州鉱山の黄銅鉱）
滋賀県には日本三大ペグマタイト産地の一つである田上山（たなかみやま）があるほか、石灰岩に富む伊吹山周辺では今でも石灰鉱山が操業しています。このほか琵琶湖北側の長浜市に1910～1960年代にかけて銅を採掘し、今でも大きな選鉱場の遺構が残る土倉鉱山があったほか、湖西の高島市を中心に中小のマンガン鉱山が数多く存在していました。
（カバー写真は田上の煙水晶）
京都府には丹波のマンガン鉱床、大谷鉱山および行者山の錫・タングステン鉱脈、鐘打鉱山のタングステン鉱脈、仏性寺鉱山の輝水鉛鉱脈と銅鉱脈など、多くの金属鉱山がありました。
（カバー写真は仏性寺鉱山の輝水鉛鉱）
兵庫県は鉱物資源に恵まれており、多種多様な金属・非金属鉱床が分布しています。かつての金属鉱山としては県北部の生野鉱山、明延鉱山、県南部の多田鉱山が著名です。
（カバー写真は生野鉱山の銀鉱石）
奈良県には銀、銅、マンガン、水銀、アンチモン、硫化鉄、石膏など様々な鉱山がかつて存在しました。また、二上山や天川村は柘榴石の産地として有名です。
（カバー写真は大和水銀鉱山の辰砂）
和歌山県には著名な大鉱山はありませんでしたが、県南部を中心に金、銅、マンガン、蛍石などを採掘する中小の鉱山が多く開発されました。
（カバー写真は大塔鉱山の蛍石）
鳥取県の鉱山としては日本最古の銅山ともいわれる荒金（岩美）鉱山、日本唯一のウラン鉱山であった人形峠ウラン鉱山、日本最大のクロム鉱山であった若松鉱山が知られています。
（カバー写真は若松鉱山のクロム鉄鉱）
島根県の鉱山としては世界遺産に指定された石見銀山が突出して著名ですが、それ以外にも様々な金属鉱山およびゼオライト、珪砂等の非金属鉱山が稼行していました。
（カバー写真は小馬木鉱山の輝水鉛鉱）
岡山県には日本を代表する硫化鉄鉱鉱山であった柵原鉱山をはじめ多くの金属鉱山がありました。また、石灰石鉱山であった布賀鉱山は世界的にも珍しい高温型スカルン鉱床で、様々な硼酸塩鉱物など珍しい鉱物を多産したことで有名な産地です。
（カバー写真は布賀鉱山の逸見石）
広島県ではかつて比較的小規模の各種金属鉱山が稼働していました。また、庄原市には勝光山という、今も現役（2024年11月現在）の蝋石鉱山があります。
（カバー写真は勝光山の葉蝋石中の鋼玉）
