辰砂 (cinnabar) 神生水銀鉱山 #0444

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辰砂は硫化水銀からなる水銀の重要な鉱石鉱物です。本標本では中央部の表面を辰砂の微細な結晶が帯状に覆っています。(1枚目~3枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

神生(かみおい、かみお)水銀鉱山は明治初年に探鉱・開坑されたと云われ、1900年(明治33年)に農商務省鉱山局が出版した日本鉱産誌に「大和国宇陀郡宇賀志村駒帰。ヒヤケ外六字」として鉱床が記載されています。戦後1946年(昭和21年)にも探鉱が行われ、翌年から相当量の水銀鉱石を出鉱しました。レトルト炉式の製錬所を設置し、宇陀市内に点在した水銀鉱山の中では大和水銀鉱山に次ぐ生産量を有し、1961年(昭和36年)まで操業していました。

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