自然硫黄 (natural sulfur) 知床硫黄山 #0659

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硫黄を熱すると120℃で溶融し、液体の硫黄に変わります。本標本は既に固体化しているため黄色ですが、液体の硫黄は赤茶色になるそうです。1~3枚目は背景をソフトウエア処理しています。

知床硫黄山は、大量の溶融硫黄を噴出することで知られています。1857年(安政4年)に北西側中腹の爆裂火口から噴火し、溶融硫黄が海浜まで流出し、1859年(安政6年)に会津藩によって採掘が試みられたのをきっかけに、硫黄採掘が始まりました。記録に残っている範囲では、標高600mの北西山麓に位置する1号火口(現在の新噴火口)から4回の噴火があり、大量の溶融硫黄を噴出し、そのつど採掘が行われています。最後に噴火したのは1936年(昭和11年)で、当時採掘権を持っていた皆月家から日本特殊鉱業に採掘権が移り、近代的な設備を導入した本格的な採掘が行われました。第二次世界大戦以降は知床硫黄山での硫黄採掘は行われていません。

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