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- 2F 昭和のレコード 洋楽編
- David Lee Roth 「EAT 'EM AND SMILE」
David Lee Roth 「EAT 'EM AND SMILE」
「デヴィッド・リー・ロス、ヴァンヘイレン脱退!」
本当に当時、ショックなニュースでした
内情はわかりませんが
やはり一つのグループの中に
二人の天才は成り立たないのか…と思ったものです。
個人的にエディーのギターももちろん大好きですが
エンターテイナーとしての
デイヴの存在あってこそのヴァンヘイレンだと思っていました。
「1984」の大ヒットのあとにソロアルバムを出して
それがまたヒットして…でもそれはあくまでも気分転換かと思っていたのですが
もうその頃には出ていくことは決まっていたのかもしれません。
で、ヴァンヘイレン脱退後、改めてのソロアルバム!
今度はミニアルバムではなくてフルアルバムです。
もうハードロックでもないかもしれない…なんて心配もしていたのですが
バンドメンバーを知ってびっくりです!!!
ジョン・ボーナム率いる「アルカトラス」で大活躍して
「変態ギタリスト」としてライバルのいない地位を獲得した
スティーブ・ヴァイがギター
これまたこれまでのベースプレイを根本的に覆した
タラスで活躍したビリー・シーン
ジャズやフュージョンでのプレイもこなす
これまた技巧派のドラマーのグレッグ・ビソネット
「ええええ~ウソでしょー???」と言いたくなるほどの
超絶技巧派集団+カリスマエンターテイナーのデイヴ
これは期待しないわけにはいきません
もちろん発売と同時にLPを買いに走りました!
で、聴いてみると
これがまたこれまでのどのハードロックレコードとも似つかない
ぶっ飛んだアルバムでした!
1曲目の「YANKEE ROSE」から
スティーブヴァイのトーキングギターでまず驚かされ
当然、デイヴのヴォーカルはめちゃくちゃカッコ良くて…
ビリーシーンが在籍していたタラスの楽曲のリメイク版である
2曲目の「SHY BOY」はスティーブのギターはもちろんのこと
ビリー・シーンの超絶ベースプレイに度肝を抜かれ
明らかにデイヴの趣味と思われる「I'm Easy」や
「Ladies' Nite in Buffalo?」でも4人の息はピッタリで
どのフレーズもとってもカッコ良く
シングルカットされた「Goin' Crazy!」は
HRファンじゃなくても文句ナシにウケる名曲!
B面1曲目「Tobacco Road」も
ワウの効いたギターフレーズにベースとのコンビネーション
それに乗っかるデイブのヴォーカルが何とも心地よいナンバーで
次の「Elephant Gun」は正に調節技巧派集団が
思い切りプレイしているキレッキレのアップテンポシャッフル
(ビリーシーンのベースがすごすぎる!)
デイブの語りかけるようなヴォーカルに
掛け合うスティーブのギターが
これまた印象的な「Big Trouble」へと続き
ミドルテンポのリズムに乗って
それぞれのパートが印象的なプレイを紡ぐ
「Bump and Grind」になだれ込み
最後はデイブ好みのハッピーな
オールデイズっぽい「"That's Life」で締めくくります
。。。いや。。。これ聴いたとき
本気で「デイヴはヴァンヘイレンを超えた!」と思いました
ちなみにタイトルの「Eat 'Em and Smile」は
「ヤツらを食って、微笑んで」という意味になるらしく
これって明らかにヴァンヘイレンへの対抗心剥き出しってことかと思われます。
新生ヴァンヘイレンモサミーヘイガーを迎え
「5150」なんて名盤を生み出しましたが。。。
セールス的にはともかく
バンド的にも楽曲的にも個人的にはこのデイヴのアルバムは
HR史に燦然と輝くダイヤモンド・アルバムだと思っています。
1986年8月25日リリース