UFO「Obsession(宇宙制服)」

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UFOとして8枚目のオリジナルアルバム
マイケルシェンカーが加入してからは5枚目のアルバムとなり
ただこのアルバムが出て約半年後に
それまでにもフィル・モグとの確執もあり
たびたび失踪を繰り返していたマイケルが正式に脱退することとなります。
再結成前のアルバムとしてはこれが最後のマイケル参加のアルバムです。

前作「Lights Out」で世界的にもハードロックバンドとして
知名度も上がりその勢いそのままに作成されたアルバムとなります。

楽曲の完成度の高さは文句ナシで
1曲目「Only You Can Rock Me」が耳に飛び込んでくると
「うおー!さすがくっそカッコえええええええ」とテンション上がりますが
ちょっと待って???えらく耳触りの良いサウンドすぎて
ちょっとスマート過ぎるのですが???なんて思ってしまいます。
いや明らかに音はクリアで歯切れが良くなっているのですが
もっと泥臭くて骨太なほうが…なんて少し意地悪な見方をしてしまいそうです
いや…確かにこれが正解だとは思うのですが…
でも少し聴きなれてくるとそ9れも気にならなくなるほどやはりカッコいいです!

で、2曲目「Pack It Up (And Go)」になると
まるで「1曲目でそういうと思ったよ!じゃぁこれでどうだい???」と
言わんばかりのワイルドなノリで押しまくってきます
サウンドはもちろんクリアなのですが
楽曲が少々ワイルドなノリなので確かに文句の付けようがありません
「は、はい…いや、もちろんカッコいいです…」なんて独り言を言ってしまいました(笑

A-3はこれまでのUFOにも必ずあった哀愁を漂わせるメロウなインスト小曲
「Arbory Hill」で一息

そしてその流れで少々アンニュイなノリで
A-4「Ain't No Baby」に続きます。
いいですねぇ~この大陸的なノリ…
こういうのは邦楽ロックにはなかなか出せないですよねぇ
これは強い酒が少し欲しくなりますねぇ~バーボンロックとか合うなぁ

で、A面ラストは泣かせるバラード「Lookin' Out for No. 1」
ヤバい…さらに酒が進むじゃないか(笑
夜中に飲みながら聴くと意味もなく泣ける曲です。
また短いけどマイケルの泣きのギターソロがたまらん!
もちろん名曲なのは間違いありません!

B面のオープニングは
マイケルの腰のあるギターサウンドがイントロからたまらない
「Hot 'n' Ready」
そうそうこういう泥臭いのがUFOはいいのですよねぇ
いかにも70年代後期のバンドサウンド!
最初に言ったように何年か前のアルバムに比べれば
音質がクリアで歯切れが妙に良いのですが
やはり本質的な部分は変わりませんね!これで良いのです!

で、B-2は名曲としても名高い「Cherry」
以前からの泥臭い部分にスマートさをかなり加えた感じです。
ちょっと洗練され過ぎでは?とも感じますが
いや、やっぱり確かにカッコいいですね
でもマイケルのソロはある意味いつも通りでこれまたいいですねぇ
楽曲の造りというかアプローチがこの曲だけ
明らかに異なるのでインパクト大です!

B-3はある意味いつも通りのUFOのノリともいえる
「You Don't Fool Me」
こういう曲はマイケルのギターサウンドももちろん存在感ありますが
やはりフィル・モグのヴォーカルありきなんですよねぇ
こういうワイルドさはお手のものですよねぇ

ここでA-5「Lookin' Out for No. 1」のRiprise小曲を挟んで

B-5「One More for the Rodeo」に続きます。
これ、私は個人的にかなり好きな曲なんですよねぇ
ちょうど良い少し早めのミディアムテンポで
ボーカルにギターのフィルが絡みまくる感じで
アレンジがめっちゃカッコいいのですが!!!
これは楽曲が云々じゃなくて
マイケルのギターが全般的に前面に出てて
それがくっそいいのですねぇ。。。たまらんな。。。

アルバムのラストは「Born to Lose」
哀愁漂う壮大なバラードで締めくくります!
これまた文句ナシに美しい曲です。

この後、マイケルはUFOを脱退して
自分のバンド「MSG」を結成するのですが
個人的にはマイケルの参加した5枚のUFOのアルバムは
MSGよりも好きなのですね。
「MSG」はあくまでマイケルのソロプロジェクトみたいなものだから
ギターアルバム色が少し強めなのですよねぇ
それはそれで悪くはないのですが
やはり少し泥臭くて骨太なバンドサウンドのUFOの方がいいかなぁ。。

余談ですがこのアルバムを実際に手に入れて聴いたのは
私が高校生の頃で実際に出てから数年後なのですね。
このアルバムが出た頃はまだ小学生で
さすがに洋楽を聴くような頃合いではありませんでした…
でもこのアルバムのジャケットはレコード屋さんで見かけて
「なんて不気味なジャケットなんだ!」って記憶にあったのです。
高校生になってこのアルバムジャケットを見て
「ああああ!あの不気味なジャケットだーーー!」って
心の中で叫んだことを今でも覚えています(笑

1978年6月21日リリース

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