石川優子「優子 ときめくころ」

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1979年デビューの石川優子さんの1stアルバム
デビューシングルの「沈丁花」が3月に発売され
2ndシングルの「 レット・ミー・フライ」が7月に発売
そしてこの1stアルバムが10月に発売されたわけですね!

優子さんは当時のニューミュージック系アーティストの
登竜門ともいえるポプコン出身で
デビュー前からバリバリのシンガーソングライターだったのに
1stシングルは自分の曲ではなく
フォークというよりは演歌に近い「沈丁花」でのデビューとなりました。
この曲はこの曲で特に今聴くと
しっとりして何とも言えず良い曲なのですが
個人的には優子さんの曲じゃないよなぁ…と正直なところ思います(苦笑)
でも2ndシングルは自身の作詞作曲の「 レット・ミー・フライ」で
これが初期の優子さんらしい透明感溢れる良い曲でした!!!

そして満を持して発売の1stアルバムです!
後にアルバムアーティストとして
出すアルバムそれぞれがコンスタントに売れる
優子さんのアルバムの歴史がここから始めるわけですね!

でもまだ1stアルバムでは自身の作詞作曲の曲は
まだ10曲中3曲なのですね…
でも優子さんの魅力はその楽曲のクオリティの高さもそうですが
何といっても魅力は透明感溢れる上にきめ細かいその歌声です!
そこに関してはこの1stアルバムから存分に発揮されています

1曲目の「オー・マイ・ラブ」から
デビューアルバムとは思えない圧巻の歌声です!
この歌声に関しては1stからもはや完成の域に達していると思います!

A-2「ove Song にさよなら」は70年代フォークらしい
レトロな雰囲気な曲ですがここでもサビのハーモニーの美しさに
聞き惚れてしまいます。

A-3は2nsシングル「レット・ミー・フライ 」です!
文句ナシにいいですねぇ…歌声の美しさはもちろんのこと
優子さんらしい美しいメロディの良い曲です!
サビ前が特にいいんですよねぇ…何とも切ない曲なんですが…

A-4は谷山浩子さんの「河のほとりに」のカバーです。
この曲はもう歌いだしのメロディから
もろに谷山浩子ワールド全開の1曲ですが
優子さんもしっかり自分のカラーで歌いこなしているように思います。

A面ラストはこれも70年代テイストの
「明日へのメッセージ」で締めくくります
ここでも堂々の歌いっぷりで聴いていても気持ちよいほどです!

A面の全体的に爽やか系のフォーク系楽曲でまとめたのに比べて
B面はしっとり系の曲が多めに配置されています。
B-1の「あなたの手紙」もしっとり切なく歌い上げます。

…と思いきやB-2は打って変わって明るくポップな
「土曜の夜はパーティー 」です
優子さん自身の曲も3rdあたりになるとこんな曲も増えてくるのですが
このアルバムではちょっと意外な感じの1曲になっています。
いや、でも、もちろんこれ好きですよ!

B-3は再びしっとりとした「雨の日曜日」
これは優子さんの作詞曲ですね!
中期・後期の優子さんのイメージから考えると
こういういかにも昭和っぽいしっとりさは
ちょっと意外に感じてしまいます。
ズドーンと暗い曲ですが
やはり同時期の某みゆきさんや
某ハコさんとは全然違うテイストなのがとっても興味深いですね
ん?やはり少し演歌っぽいのかな…

B-4も優子さん作詞作曲の「眠りの中へ」
今度は少しムード歌謡っぽいテイストです
あぁ~でもこのマイナーなメロディと
真夜中っぽい感じはモロに好みですねぇ…
またこの独特な雰囲気に優子さんの声が合ってる!!!
こういう感じはシンデレラサマー以降ではまず聴けないから
ある意味めちゃくちゃ貴重かもしれません!!!

で、アルバムラストは
デビュー曲の「沈丁花」で締めくくります。
改めて聴くと切ない曲だなぁ…
この重さと暗さがまたいいなぁ~やっぱり良い曲ですね!

2ndアルバム以降の作品とはやはり随分異なります
いろいろ試行錯誤している部分も感じられます
でもその高い歌唱力と少ないながらも
クオリティの高い自身の作曲も
この時期ならではのものがあって非常に貴重な1枚だと思います。

1979年10月25日リリース

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