Judas Priest「Turbo」

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ジューダス・プリーストの10作目のオリジナルアルバム

ギターシンセサイザーをかなり大胆に使用したサウンドで
曲も比較的ポップなものが多いため
ファンの中でも賛否両論だった問題作

ジューダスはたまにこういう
これまでの路線と異なるアプローチをした作品を発表します。
でも確かに何か新しいものにチャレンジしないと
マンネリでしょうし良いものも生まれないっていうのもわかります。
でもやっぱり「ジューダス・プリースト」となると
ジューダスらしいサウンド・楽曲を
期待してしまうのもわかるのですよねぇ…

私だってモヤモヤしたときに
思い切り大音量でヘヴィなサウンドを聴きたいときに
「やはりジューダスでしょ!」と思いながら
CDやレコード引っ張り出しますし…

でもそういうワンパターンな「ジューダスらしさ」ばかりを
期待されるのに嫌気がさして
あの「メタルゴッド」と呼ばれるロブハルフォードだって
ジューダスをそういう理由で一度脱退していますし
さらの後年、KKダウニングも同じ理由でバンドを離れています…
クリエイティブな部分と期待される部分のバランスは難しいですよねぇ

で、この「Turbo」ですが…
確かにポップな部分もあるし
ギターシンセを多用したサウンドはヘヴィさに欠ける部分もありますが
個人的にはしっかり創り込んだ良いアルバムだと思っています。

もうオープニングの「Turbo Lover」から
これまでのジューダスと比べたら驚きのサウンドです
でもアレンジ凝っていてカッコいいですよ
ジューダスだと思わないで聴くと相当にカッコいいです!
まぁ、でもロブのヴォーカル聴いていると
どこからどう聴いてもやはり「ジューダス・プリースト」ですね!

A-2の「Locked in」は文句ナシにわかりやすくカッコいい曲です
確かに少しポップでキャッチーですけど
この曲が嫌いなジューダスファンはいないでしょ?
グレンのソロがまためちゃくちゃカッコ良いです!!!
イントロやソロ導入部に効果的に入れられたギターシンセの音もいいですねぇ

A-3はこれまたシンセの効果音で始まる「Private Property」
でもこの曲はジューダスらしいヘヴィさも十分あると思います。
うーん、通常のギターサウンドとシンセサウンドの重厚な重なり合いもいいですねぇ
サビのコーラスもかっこいいですよねぇ
これも相当個人的に鵜s期な曲です。

A-4はこれまたポップでキャッチーな「Parental Guidance」
いや~確かにジューダスっぽくはないですが
これもカッコいいですよ!
こんなカラッと乾いた明るいジューダスなんて本当に新鮮です!
でもロブのヴォーカル…意外とこういう曲に合いますねぇ

A-5もこれもジューダスらしくないといえばそうなのですが
痛快なロックンロールサウンドの「Rock You All Around the World」
もちろんそこらへんにありがちな軽いローリングサウンドではなくて
さすがにそれなりにヘヴィですが
何といっても明るいのですよ~サウンドもメロディも
でもこれも先入観なしに聴くと文句ナシにカッコ良いですよ!

B-1はこれもシンセサウンドで始まりますが
展開はある意味ジューダスらしいヘビィさと荘厳さを持ち合わせた
「Out in the Cold」
イントロ後半のゲートリヴァーブのよく効いた
スネアの音がたまらないですねぇ~
アレンジこそシンセサウンドが目立ちますが
これは明らかにジューダスっぽい展開の曲です。
スローでヘヴィなので「スピーディーで痛快!」ではないですが
この重々しいのもジューダスの1面ですよねぇ
こういうのが要所要所で入ってくるからまたいいのです

B-2は再びポップで明るめのサウンドの
「Wild Nights, Hot & Crazy Days」
こういうのも悪くないですよねぇ
しかしロブの声は本当になんにでもうまく合わせますねぇ
表現力がハンパないです!カッコいい!!!

B-3はスピーディーでヘビィなジューダスらしい展開の
「Hot for Love」ただしこれもギターシンセのサウンド効果もあって
少しキャッチーに聞こえるんですよねぇ

そして最後はここで個人的にはすごく名曲だと思っている
「Reckless」
ジューダスらしくはないかもしれないけど
この哀愁溢れるヴォーカルラインと
絶妙にヘヴィなギターサウンド
張り詰めたテンション!!!もうむちゃくちゃカッコ良いですよ
ただ私の好みにピンズドではまるだけなのですが
最後にこんな曲持ってくるなんて渋いなぁ…
ジューダスのアルバムの最後の曲って
重々しい曲が多いような気がしてるのですが
今回はいい意味でここでも予想を裏切ります!
いや~でも本当に超カッコいい!!!

…ということで…
確かにこれまでのジューダスの路線から考えると
少々変わったアプローチのアルバムなのですが
何度も言いますが私はすっごく好きなアルバムです。
「らしさ」とかそういう部分を超えて
シンプルに「カッコいい!」1枚だと思います!

1986年4月14日リリース

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