石川優子「NUANCE」

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石川優子さん7作目となるスタジオアルバム
発売されたのが12月ということもあって
肌寒くなってくる初冬に
じっくり聴くにはもってこいのアルバムです。
(後半は少し夏っぽいですが。。。)

この頃の優子さんは「シンデレラサマー」のヒットからも
1年半が経過してテレビとかでの露出は
すっかり少なくなっていました

確かに大ヒットと言えるほどのシングルもありませんが
相変わらずラジオでは大人気ですし
アルバムを出せばしっかりセールスを残す
この頃のニューミュージック系のアーティストに多い
「アルバムアーティスト」となっていて
少し音楽好きの方が好んで聴く通好みの
シンガーソングライターになっています。

このアルバムも9曲中7曲が優子さんの作詞作曲で
楽曲の良さも良さもそうですが
アルバムごとに着実に進化する
優子さんならではのきめ細かい密度の濃い歌声に
毎度のことながら聞きほれてしまいます。

オープニングには11枚目のシングルでもある
「涙のソリティア」で始まります!
私、当時、中学生ですけど
この曲、めちゃくちゃ好きだったのですよねぇ
まぁ優子さんの曲は何でも好きだったのですが
この曲は特にです
何とも言えない切なさとキリッとした高山の空気のような
透明感が感じられる曲です。
タイトルのソリティアは
あのトランプで一人遊びするソリティアです。
…大人になってからパソコンで仕事しているふりして
あんなに毎日ソリティアして残業中に
仕事しているふりするとは
この頃には想像してなかったなぁ(笑
(WinXPにソリティアがプリインストールされている)

2曲目はちょっと大人っぽい雰囲気の
「神々の少女」です。
この出だしのAメロもサビも
いかにも優子さんの曲だ!って感じのメロディですよねぇ
少し地味目ですがなかなか味のある曲です。

3曲目は岩倉健二さん作曲の「めざめれば」です
語りかけるような優子さんの歌声が印象的な曲です。
あぁぁぁ~癒されるって感じです!
語りかけるように歌うと当然少しハスキ―な感じになるわけですが
これがまたいいのですよ
しっかりとしたスピーカーでじっくり聴くと病みつきになります。

A面ラストは田中真美さん作曲の「2度目のfall in love」です
。。。この曲。。。むちゃくちゃいいんです!!!!
なぜシングルにしなかった????
うまくプロモーションすれば絶対にヒットしたと思います。
サビもキャッチーだし
全体的に何とも切ないし、アレンジはお洒落だし!!!
アルバムの1曲にしておくにはめちゃくちゃもったいない名曲です!!!

B面は再び優子さん作曲の楽曲に戻り
「刺激的 First Impression」で始まります
これも優子さんらしい小気味よい曲です。
優子さんのアルバム曲に必ずあるパターンの曲です。
軽くスキップしているようなテンポ感がとっても気持ちよい曲です

B-2は「SAYONARA IN THE RAIN」
これがまたむちゃくちゃ美しくてしっとりと聴かせるバラードです。
優子さんの透き通ったきめ細かいそれでいて芯のある
魅力的な歌声をめいっぱい堪能できる名曲です。
シングル向きではないですがライブで聴きたくなる曲ですねぇ。。。
あぁ、やっぱり何度聴いてもいいなぁ
思わずオーディオのボリューム上げちゃいます(笑

B-3は少しけだるい感じのバラードの「海辺にて」
このあたりからこのアルバムちょっと季節感が
夏寄りになっていきます(笑
寒い季節の海辺ではないのは間違いないかと。。。
でもここまでに結構熱く聴きこんでいるのでちょうどよいのかも…

B-4はガラッッと変わってポップで明るい「摩訶不思議」です!
これは別の意味でライブで盛り上がる曲ですね!
もうもはや曲調は間違いなく「夏!」です!!!(笑
いわゆる多くの人が想像する「石川優子」のイメージに
ぴったりハマる曲だと思います
いやでもこれもいいですねぇ
これもシングルで十分イケる曲だと思います。
しかしうまい曲作りしますよねぇ…マジで尊敬です。

そしてアルバムを締めくくるのは「雑踏」です
タイトル通り雑踏の効果音から
ジャジーなピアノで静かに始まる
短めの曲ですが非常に美しい曲です。
アルバム…というよりは1日の終わりを締めくくるにふさわしい曲です。
私、このレビュー完成させたら寝るつもりですが
まさに「今日もおつかれさま」という感じです。

いやはや、本当にあっという間に最後まで聴き終わってしまいます
それほどの充実度と完成度の高さです。
ひとりでじっくり美しい歌声を堪能したいときには
是非このアルバムを聴いてください!
そう思えるほどおすすめの1枚です。

1982年12月5日リリース

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