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- 2F 昭和のレコード 洋楽編
- Gary Moore「Victims of the Future(炎の舞)」
Gary Moore「Victims of the Future(炎の舞)」
ゲイリームーアのソロとしては6作目のアルバム
来日記念盤として日本先行発売されたアルバムで
当時の邦題は「炎の舞」
その後リリースされたイギリス盤やアメリカ盤とは
収録されている曲が一部異なったり
曲人が異なったりしています。
ここではいわゆる日本初回盤の紹介です。
ちなみにCDは基本的にイギリス盤と同一です。
1曲目はイギリス盤・アメリカ盤ではタイトル曲なのですが
日本盤では「Shapes of Things」です。
この曲、ゲイリーにしては妙にキャッチーだと思ったら
カバー曲でヤードバーズが1966年に発表した曲です。
アレンジはジェフ・ベックがアルバム『トゥルース』で再演したヴァージョンに
基づいています。
いいですねぇ…これまでのゲイリーとは一味違って…
こういうのも合いますよね。
ギターサウンドはこれまでの作品以上にヘビィなのですが
曲自体がキャッチーなのでなんとも小気味よく聞こえます。
私の好みとしてはこれがオープニングにくる日本盤は良いと思います!
A-2は「Hold on to Love」
いやいや、これも結構キャッチーですよ!
このアルバムって長いゲイリーのキャリアの中で
比較的「ヘヴィメタル寄り」と紹介されることが多いのですが
個人的にはそんなことないと思います。
ゲイリーらしい非常にメロディアスでキャッチーな曲も多いです。
「キャッチーな曲」というといわゆるアメリカうけしそうな
メジャーなキーの典型的アメリカンロックを指すことが多いと思いますが
そこはゲイリームーアですよ。そんなわけありません。
いかにもアイリッシュらしい陰りのある
哀愁溢れるメロディーです。
間違いなく日本人には刺さると思います!
A-3は少しヘヴィ目な「Murder in the Skies」
この曲…当時のソ連の戦闘機による
大韓航空機撃墜事件について書かれた曲だそうです
政治的な部分や感情的な部分はここではあえて触れませんが
非常にアグレッシブなギターサウンドとギターソロで
かなりインパクトのある曲です。
個人的にもこのアルバムの中でゲイリーのベストプレイだと思っています。
A-4は次回作「Run for Cover」でもリメイクされた
ゲイリーの代表曲とみ言える名バラードです。
実は私、次回作のリメイク版のほうを先に聴いているのですが
このアルバムのヴァージョンのほうがより切ない感じが伝わりますね。
両ヴァージョンともシングルカットされています。
あんなにアグレッシブなギターサウンドも弾きながら
こんなに繊細で切ないメロディが作り出せるなんて本当に素晴らしい…
B面のオープニングはタイトル曲でもある
「Victims of the Future」
非常にゲイリーらしい悲しくてエキサイティングでアグレッシブなナンバーです
どこから聴いてもゲイリーらしい曲だと思います。
もちろん大好きです!
こういうマイナーキーのアグレッシブな曲は大好物です。
「暗いよ!」とアメリカンロック志向の方には言われそうですが…
わかってます!暗いのが好きなんです!(笑
。。。と思ったらB-2はガラッと変わって
明るいロックンロール的ナンバーです。
もともとはゲイリーもこういう曲を
もっと以前には弾いていたはずなんですが
この頃になると少なくなってきていますよね。
でもこれはこれでやはりいいですね!
ライブでは文句ナシに盛り上がるでしょう!
B-3「Devil in Her Heart」は日本盤とアメリカ盤のみの収録です。
イギリス盤はこの代わりに「All I Want」が収録されています。
この曲聴いていると特に思いますが
やはり曲はキャッチーなのが多いのですが
ギターサウンド自体はヘヴィですよね
この曲のリフもそうですしソロがまたスリリングでたまりません。
アルバムラストはミディアムスローでヘヴィ目な
「Law of the Jungle」で締めくくります。
このアルバム…日本では結構売れているのですよね
いやわかります。これいかにも日本ウケしそうなアルバムです。
もの哀しい旋律やギターサウンドも
正直言ってアメリカではちょっと苦しいかな…とも思いますが
日本やヨーロッパではウケるはず!
ゲイリーのアルバムはどれも非常に気に入っているものばかりですが
このアルバムは本当におススメです!
わけもなくシリアスな気分に浸れること間違いなしです!
1984年1月21日リリース