Madonna「バーニング・アップ」

1983年に発表されたマドンナの１stアルバム

まだ無名の頃に作ったデモテープに
このアルバムにも収録されている「Everybody」が入っていて
それがきっかけでレコード会社と契約になり
その後の正式版「エヴリバディ」がある程度、商業的に成功し
このアルバムが作られることになったそうです。

1stシングルでもあるB-4「Everybody」は
後のマドンナのキャッチーな楽曲に比べると
もっと純粋なダンスミュージック寄りで
この頃の音楽性志向がその後とは異なることがよくわかり
それはそれで非常に興味深いですね

2ndシングルとなるA-3「Burning Up」も
「Everybody」と同じくハウス的な要素も持つダンスミュージックです。
非常にカッコ良い曲ですが
世界的大ヒットしそうな曲か？と言われれば
そうではなくて一部のコアな方にウケる曲だろうなぁ。。。とは思います。
ここまではチャート的にも全米シングルチャートで
トップ１００に入るか入らないかくらいのアクションしか起こせていません。

しかしながら3rdシングルとしてカットした
B-1「Holiday」が当たりました！
この曲は知っている人も多いですよね
後のマドンナの数々のヒット曲にも通ずる
キャッチーで明るいダンスポップです。
この曲が全米16位 全英2位となり
一気に世界中にその名が知れ渡ることになります。
そしてこのデビューアルバムの売り上げも順調に伸びていき
ビルボードアルバムチャートで8位、
欧州各国でも軒並みトップ10入りし
全世界で1000万枚を売り上げることになりました
実は当時の音楽シーンでの批評はあまり芳しくなかったのですが
21世紀現在では1980年代を代表する作品の1つとして見直されています。
マドンナといえばMTVを非常にうまく活用し
ミュージックビデオの第一人者のように思われていますが
この頃はさほど映像には力を入れておらず
ナイトクラブ等のダンスジャンルへ集中的にセールスしていたのだそうです。
いわゆるミュージックビデオで世界中の話題になるのは
やはり「Like a Virgin」からですね

個人的に私がこのアルバムで好きなのは
「Holiday」よりも
4thシングルとしてカットされたA-2「Borderline」ですね！
これ最高にいいですよー
ゴリゴリのダンスミュージックも確かにカッコ良いですが
これは素直に「あぁ～良い曲だ～聴いてて気持ちいい～！」って曲です。
アルバム内で唯一ダンスミュージックではなく
かなり普通のポップスなのですが
こういうのがマドンナには合うような気がします～
明るくってポップでそれでいて身体が思わず動き出しそうな
生粋のダンスミュージックとポップスの良いとこどりのような曲だと思います。

そして5thシングルとしてA-1の「Lucky Star」がカットされます。
アルバムのオープニングということもあり
軽快なダンスミュージックです。
生粋のダンスミュージックなら
B-2の「Think of Me」あたりが個人的には好みですかね…

まだ世界的なブレイク前夜という印象のデビューアルバムです。
先に「Holiday」で火が付いたのは全米チャートより
全英チャートでしたが
確かにアルバム全体として
アメリカではなくイギリスで好まれそうなサウンドだと思います。
この辺りも次回作の「Like a Virgin」では一変するので
ある意味、一味違うマドンナが聴ける貴重なアルバムだと思います。

1983年7月27日リリース