Whitesnake「白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス」

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デイヴィッド・カヴァデール率いる
ホワイトスネイクの7作目のスタジオアルバムであり
最大のヒット作です

ホワイトスネイクはバンドというより
デイヴィッド・カヴァデールのソロプロジェクトの色合いが濃く
結成以来「解散」という名のメンバー全員解雇を
何度となく行っていて
おまけにデイヴィッド・カヴァデール自身にもいろいろ問題があり
長期休業があったりと…
当時の私も「えっと…今はいったい誰がいるんだっけ?」と
よくわからなくなることが度々ありました(苦笑)
おまけにこのアルバム以前に何曲か
シングルカット曲を聴いたことはあったのですが
どれもあまりピンとこなくて
正直言ってこのアルバムが出るまでは
あまり良い印象がなかったのです。

で、3年ぶりのニューアルバムが「やたら出来がいいらしい」と
前評判がやたら高く
私も発売されてすぐにとりあえず貸しレコード屋
いや、この頃はもうCDか…レンタルCDショップかな
で借りてきたのだけど
一度聴いて「おおおお~すげー!!!!超カッコいいじゃん!」と
夢中になりました

でも案の定、このアルバムが実際に発売された時には
アルバム全楽曲に関わったギタリスト、ジョン・サイクスを筆頭に
全員が解雇されていて
既に新しいメンバーも決まっていました
最初のシングルカットになった「Still of the Night」のMVには
新メンバーが出演しています。
で、その新メンバーのギタリストが
私の大好きなエイドリアン・ヴァンデンバーグだったのですね。
(元Dioのヴィヴィアン・キャンベルとのツインギター体制)
ついにエイドリアンが世界的メジャーなプロジェクトに参加!!!と
思う反面、「すぐにクビになるか脱退するんじゃないのか???」と
心配にもなりました。
結果を言うと次のアルバム作成中にエイドリアンは
腱鞘炎を悪化させ演奏不能になりスティーヴ・ヴァイが急遽加入し
エイドリアンは長期休養となってしまいました。
それでもなんだかんだとデイヴィッド・カヴァデール絡みの
プロジェクトに10年近く参加してはいたのですね…

話をこのアルバムに戻します!
まぁ、そんなバンドの人間関係は置いておき
先入観なくこのアルバムを聴くと
最初に言った通りめちゃくちゃカッコ良いです。
日本盤の曲順はアメリカ盤と同一で欧州盤とは異なるのですが
1曲目にヘヴィな「Crying in the Rain」で持って来て
少し重く苦しい雰囲気にしておいて
一気に弾ける2強目の「Bad Boys」に続きます
個人的にはこの曲が一番気に入ってたかなぁ…
イントロのデイヴィッド・カヴァデールの
「アオアオアオアーオ------ン」っていうシャウトを
当時やたらと真似して叫んでいたような記憶が…(汗)
で、3曲目は再びヘヴィな「Still of the Night」へ…
しっかしこのアルバムのデイヴィッド・カヴァデールの
歌いっぷりは以前の作品とは全然違って良くなってますよねぇ
このアルバム制作前に行った喉のポリープ除去手術が
すごく良い方向に働いたのだとも思います。
この曲はとにくデイヴィッド・カヴァデールの歌いっぷりに注目です。
4曲目は「Here I Go Again」シングルカットされて
全米1位になった名曲です。
このアルバムで唯一この曲のソロだけを
エイドリアン・ヴァンデンバーグが弾いています
…このアルバム楽曲のレベルはめっちゃ高いし
ジョンサイクスのギタープレイも圧倒的にカッコ良いのだけど
ギターサウンドだけはやたらとノイジーな
ディストーションのような気がしてそこだけは好きではなかったのですね
でもこの曲のソロプレイだけは
以前と変わらぬ見事なエイドリアンサウンド!
短いソロですがとてもエイドリアンらしい良いプレイです。

A面はここまでで
B面1曲目は比較的キャッチーな「Give Me All Your Love」です
これまたどちゃくそカッコ良い!
こういう跳ねるリズムの曲はやっぱりいいですよねぇ
自分で演奏するのはめっちゃ苦手でしたが…(苦笑)
2曲目は今度は非常に切ないバラードの
「Is This Love」です。
A面ラストの「Here I Go Again」が
どちらかというと明るいバラードなのに比べると
こっちはズドーンと暗い切ないバラードです。
日本人ウケしそうなのはこっちだと思うのですが…
私もこういう身を切るような哀愁を漂わせた曲は大好物です
3曲目はこのアルバムらしいハードさを前面に出した
「Children of the Night」
これも意外とサビのメロディはキャッチーでカッコ良いですねぇ
ギタープレイもキレッキレです。
4曲目は一気にアメリカンで明るくキャッチーな
「Straight for the Heart」
私の好みとしては陽キャ過ぎるのですが
この曲が好きな人は多いでしょうねぇ
いや確かにわかりやすくカッコいいですよ
ほら私、かなり陰キャでひねくれものだから…(笑
アルバムの最後を飾るのは
「Don't Turn Away」
これも「Here I Go Again」と同様の
明るめのバラード…こうして改めて通して聴くと
ギンギンにハードなイメージが元々あったのですが
意外とポップでキャッチーな曲も多いですね。

確かにこれはアメリカで売れるだろうなぁ…って気がします。
全米で最高位2位(マイケルジャクソンに阻まれて1位は取れなかった)
800万枚以上を売り上げ2007年までにアメリカだけでも1000万枚を超える
まさに大ヒット作となりました。

でも売れるものわかりますね
今聴いても文句ナシにカッコ良いです

1987年4月7日リリース

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