シスター・スレッジ『アメリカン・ガールズ』

0

【2024年8月10日ON AIR】
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。8月はブラック・パワー、ブラック・コンテンポラリー、ソウル・ミュージックをお送りしています。今回は、シスター・スレッジのアルバム『アメリカン・ガールズ』です。

1954年生まれのデビ―、56年生まれのジョニ、57年生まれのキム、59年生まれのキャシー。フィラデルフィア出身のスレッジ4姉妹によるグループ、シスター・スレッジ。父親はタップ・ダンサー、母親は女優という恵まれた環境の家庭で育ち、元オペラ歌手だった祖母に歌を教わって、教会や地元のチャリティ・イヴェントで歌っていました。

シスター・スレッジとして活動を始めたのが1971年、長女デビ―は16歳、末っ子キャシーはまだ12歳でした。女性版ジャクソン5のようなファミリー・グループを目指して、地元のインディ・レーベルから「タイム・ウィル・テル」をリリースしました。

その後アトランティック傘下のアトコ・レーベルと契約、最初のヒットは73年の「ママ・ネバー・トールド・ミー」で、全英チャート20位にランクイン。アメリカでのヒットは74年の「失恋大作戦」、ようやくトップ100に滑り込みました。このシングルを収録したデビュー・アルバム『サークル・オブ・ラヴ』は日本でも人気となり、第4回東京音楽祭に出演して、銀賞に輝きました。

しかしなかなかブレイクとまでは至らず、バック・コーラスの仕事などをこなしながら苦節6年、ついにその時がやって来ます。シックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズが楽曲提供・全面プロデュースした79年のサード・アルバム『華麗な妖精たち』から、「ウィ・アー・ファミリー」が世界中で大ヒット。「ヒーズ・ザ・グレイテスト・ダンサー」と合わせて、ダンス・クラシックスとなりました。

次のアルバム『ときめき』でもこのコンビネーションは続きますが、81年の『アメリカン・ガールズ』で手を組んだのは、フュージョン界きっての花形ドラマーでアレンジャーとしても実力のあるナーラダ・マイケル・ウォルデンでした。前作までのポップで、ダンサブルなサウンドも残しつつ、シンセサイザーを使ったり、全体的に抑揚の効いた、アダルト・コンテンポラリーな音作りが時代を先取りしていました。

その後はセルフ・プロデュースやジョージ・デュークと組んだりしていましたが、久々にナイル・ロジャースとコラボした85年の『ボーイズ・ミート・ガールズ』から「フランキー」が全英1位のヒットとなりました。しかし89年にケイシーが脱退、残る3人で活動を続けていましたが、2017年3月10日にジョニが60歳の若さで星となり、2019年にキムも脱退。現在はデビ―と娘のカミーユに加え、タニヤ・ティートのトリオで活動中です。

シスター・スレッジのアルバム『アメリカン・ガールズ』
SIDE A
「アメリカン・ガールズ」
「ランナウェイ」
「貴方が望むなら」
「愛はこれから」
「ハッピー・フィーリング」

SIDE B
「愛されて」
「メイク・ア・ムーヴ」
「ひとりぼっちにしないで」
「気分はミュージック」
「別れの言葉なんて」

シスター・スレッジのアルバム『アメリカン・ガールズ』いかがでしょうか?
ちなみに、二女のジョニは健康志向が強く、息子のタデウスにもファスト・フードよりもケール・チップスなどの健康食品をすすめていたそうです。なのになぜ一番先に旅立ってしまったのか…、皮肉なものです。

https://sistersledge.com/
シスター・スレッジ オフィシャルサイト

Default