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ハウンド・ドッグ『POWER UP!』
【2024年5月11日ON AIR】 アナログ音源専門プログラム「33rpm」。 今月は5月の空に響き渡る80年代J-ROCKをお届けしています。その2回目は、宮城が生んだロックンロール・バンド、ハウンド・ドッグの『POWER UP!』です。 仙台市の東北学院大学で結成されたバンド、ハウンド・ドッグ。今は大友康平のソロ・プロジェクトになってしまいましたが、まさに今年5月11日からHOUND DOG LIVE 2024 「LOVE & LIVE」振替公演がスタートします。 中心人物、大友康平は1956年1月1日宮城県塩釜市に生まれました。その後埼玉へ移って小学生でロックに出会い、高校時代にはドラムを演奏するようになりました。高校2年生の時にTVで観たキャロルに衝撃を受け、ロックンロール・バンドを結成。またこの頃には、社会人のバンドに潜り込み、ダンス・パーティーで腕を磨いていたそうです。 その後仙台の東北学院大学へ進学し、音楽サークルの仲間と1976年ハウンド・ドッグを結成。始めは大友がドラム&ヴォーカルをつとめる3ピースでしたが、矢沢永吉やロッド・スチュワートのマイク・パフォーマンスに憧れ、その後ヴォーカルに専念しました。 その姿が仙台の音楽関係者の目にとまり、プロの道へと走りだし、1980年3月、CBSソニーから「嵐の金曜日」でメジャー・デビューしました。オリジナル・メンバーは、ギター・八島順一、キーボード・箕輪単志、ベース・海藤節生、ギター・高橋良秀、ドラム・藤村一清の計6人。 その後メンバーチェンジを経ながらも、アツいライヴで人気を博し、85年10枚目のシングル「ff(フォルテシモ)」がカップヌードルのCMタイアップで大ヒット。それ以降も数々のヒットを生み出し、89年のアルバム『GOLD』と92年の『BRIDGE』はオリコン1位に。 また日本武道館15日連続公演や、東京ドーム初の日本人アーティスト単独公演など動員を記録。他にもALIVE HIROSHIMAピース・コンサートに10年間出演して、被災者施設を建設するなど、チャリティ活動も盛んに行ってきました。 デビュー25周年となる2005年には個人事務所を立ち上げ独立。しかしこれに端を発してメンバー間での軋轢が生じ、裁判沙汰へとなってしまいます。結局2006年以降は大友康平とサポート・メンバーでハウンド・ドッグとして活動を行い、毎年デビュー日を記念してハウンド・ドッグのLIVEを行っています。 2020年には、40周年のツアーが新型コロナの影響で延期となり、21年に40+1として開催しました。ようやく落ち着いたかに見えましたが、昨年は腎臓に腫瘍が見つかったため、ライヴをキャンセルして手術のため入院。その後順調に回復したため、今年のライヴは3月の予定を5月からに変更して、宮城県は8月3日仙台PITで開催することが発表されています。 ハウンド・ドッグのアルバム『POWER UP!』 SIDE A 「Bye Bye Dancin' Blue Suede Shoes」 「ANYWAY」 「レイルロード・ブルース」 「ライム・ライト」 「ねえ先生」 「スクール・デイズ」 SIDE B 「Hot Line」 「BACK STREET」 「PIN UP GIRL」 「Give me a chance」 「涙のBirthday」 ハウンド・ドッグのアルバム『POWER UP!』いかがでしょうか? ちなみにサブスクでは聴けない純正ハウンド・ドッグの名盤、フライング・ハウス所属時代のファンクラブ「愛犬友の会」会員だった方も最後までお楽しみください。 https://www.iehok.com/ 大友康平&ハウンド・ドッグ オフィシャルサイト
アナログレコード 1981年澁谷彰一
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カシオペア『アイズ・オブ・マインド』
【2024年3月23日ON AIR】 アナログ音源専門プログラム「33rpm」。 3月は毎年インストを中心とした音楽を紹介してきましたが、今年はフュージョンを特集しています。“More than Words”今回はカシオペアの『アイズ・オブ・マインド』です。 70年代後半から80年代にかけて流行した、ジャズやソウル、ファンクなどを融合した“クロスオーヴァー・サウンド”。それはやがてフュージョンと呼ばれるようになりました。 日本が誇るフュージョン・バンド、カシオペアは、1957年1月1日生まれのギタリスト野呂一生と11月13日生まれのベーシスト櫻井哲夫を中心に結成されました。共に東京都内の高校生だった二人が出会い意気投合。56年10月20日生まれのキーボーディスト向谷 実を誘って出場したヤマハのコンテストEastWest'77がきっかけでプロデビューを目指します。 しかしなかなかレコード会社が見つからず、最終的に手をあげてくれたのが新興のアルファ・レコード。1979年にアルバム『CASIOPEA』で、めでたくデビューすることが出来ました。そのキャッチ・コピー「スリル・スピード・スーパーテクニック」は彼らの代名詞となり、2ndアルバム『スーパー・フライト』は、CMタイアップの効果で人気も全国区に拡大しました。 しかしここでドラムの佐々木隆が脱退、1959年2月27日生まれの神保 彰が加入して、いわゆる第1期メンバーが揃います。このラインナップでライブ・レコーディングされた3枚目のアルバム『サンダー・ライブ』は海外のアーティストからも好評で、彼らの人気を後押ししました。 80年のスタジオ・アルバム『メイク・アップ・シティ』は国内初の32トラック・デジタル録音で、続く『アイズ・オブ・マインド』はハーヴィー・メイソンのプロデュースで、初の海外リリース。カシオペアは一段と輝きを増しますが、87年レーベルを移籍してリリースした『プラティナム』あたりから陰りが出始め、バンドは休止状態。 89年には櫻井哲夫と神保 彰が脱退して、ベースに鳴瀬喜博、ドラムに日山正明を迎え、第2期の活動がスタート。さらに97年からは野呂・向谷・鳴瀬の3人態勢となり、サポートにかつてのメンバー神保 彰を迎えますが、2006年に一旦活動休止。 2012年、向谷 実の脱退と新メンバーの加入、6年振りの活動再開が発表され、バンドはCASIOPEA 3rdとして活動を続けます。しかしこれも10年で終止符を打ち、2022年からは野呂・鳴瀬に加え、キーボードに大高清美、ドラムに今井義頼を迎え、CASIOPEA-P4名義で活動しています。 カシオペアのアルバム『アイズ・オブ・マインド』 SIDE A 「朝焼け」 「ア・プレイス・イン・ザ・サン」 「テイク・ミー」 「ラカイ」 「アイズ・オブ・マインド」 SIDE B 「ブラック・ジョーク」 「ラ・コスタ(イントロ)」 「ラ・コスタ」 「マジック・レイ」 「スペース・ロード」 カシオペアのアルバム『アイズ・オブ・マインド』いかがでしょうか? ちなみに、このアルバムはハーヴィー・メイソンのプロデュースによりロサンジェルスでレコーディング。これまでのリメイク曲に加えハーヴィーと、レコーディングにも参加したボブ・ジェイムスの曲を収録するという実に贅沢な作品となっています。 https://www.casiopea.co.jp/ CASIOPEA-P4 オフィシャルサイト
アナログレコード 1981年澁谷彰一