シルヴィ・バルタン『あなたのとりこ/悲しみの兵士』

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【2024年1月13日ON AIR】
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
1月は「新春フレンチ・カルナヴァル」華やかなフランスの音楽を紹介しています。今回は“恋の妖精”シルヴィ・バルタンのアルバム『あなたのとりこ/悲しみの兵士』です。

1944年8月15日、ブルガリアに生まれたシルヴィ・バルタンは、8才の時、共産体制へ変ったブルガリアから家族ともどもパリに移り住みました。父も兄も楽器を演奏するという恵まれた環境で育ち、ロックン・ロールに影響を受けました。特に7歳年上の兄エディはジャズ・トランぺッターで、音楽プロデューサー。61年、その兄のレコーディングで途中降板してしまったシンガーのピンチ・ヒッターとして高校生のシルヴィに白羽の矢が立ち、彼女のレコード・デビューとなりました。

これがきっかけでライヴ活動をはじめ、兄のバンドがサポートをつとめていきます。63年の3rdシングル「おセンチな17才」がヒットして、シャンソンとアメリカのポップスやロックが融合した“イエイエ”ブームへと続いていきます。64年に主演した映画『アイドルを探せ』、その主題歌で世界的にブレイク。この年開催されたオランピア劇場公演では、ブレイク寸前のビートルズとも共演しました。

19才にして大ブレイクしたシルヴィは、アメリカのナッシュビルで、憧れのエルヴィス・プレスリーのサポート・メンバーと共にレコーディング。英語曲も収録したアルバム『夢のアイドル』をリリースしました。人気絶頂の65年春、フランスの人気ロッカー、ジョニー・アリディと結婚、翌年には一人息子のダヴィッドを出産しました。
そしてこの年ワールド・ツアーを行い初来日、羽田空港にはおよそ1,000人のファンが詰めかけたそうです。

シンガーとして、またプライベートも充実した日々を送りますが、68年と70年に交通事故に遭い、80年には長年連れ添ったジョニーと離婚。しかし翌年の東京音楽祭で出会ったアメリカ人プロデューサー、トニー・スコッティとその後再婚。所属レーベルRCAでのラスト・アルバム『ヴィラージュ』を発表後、プライベートを優先して、ステージ活動も休止してしまいます。しかし89年にはアルバム『バルタン気質』をリリースして活動再開、翌年、生まれ故郷であるブルガリアのソフィア公演からコンサートも復活しました。

90年代も2000年代も留まることなく活動を続け、祖国ブルガリアのため基金を創設したり、様々なチャリティに参加するなど、音楽、映画と幅広く現役を続けています。「アイドルを探せ」「あなたのとりこ」「悲しみの兵士」といった彼女のヒット曲は今でもCMなどで聴くことが出来ますが、2018年に最後の来日公演が行われ、残念ながら国内で生で聴くことは叶わなくなってしまいました。

シルヴィ・バルタンのアルバム『あなたのとりこ/悲しみの兵士』
SIDE A
「あなたのとりこ」
「回転木馬」
「あなたが去った今」
「ああなたの腕に抱かれて」
「ラウンド・ストーン・リバー」
「愛の経験」

SIDE B
「悲しみの兵士」
「わたしのすべて」
「夜と昼の間」
「将軍になれたら」
「恋の告白」
そして「アブラカダブラ」

シルヴィ・バルタンのアルバム『あなたのとりこ/悲しみの兵士』いかがでしょうか?
ちなみに、容姿端麗なシルヴィ・バルタンはファッション・モデルとして活躍したばかりか1965年から70年まで自身のプレタポルテ・コレクションを発表、ブティックも経営していたそうです。

https://www.sylvie-vartan.com/
シルヴィ・バルタン オフィシャル・サイト

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