うつろひ さだまさし

0


前作『印象派』に引き続き服部克久が制作に参加している。

ソロデビュー・アルバム『帰去来』から前作『印象派』まで、さだのアルバムはすべて漢字3文字のタイトルであったが、このアルバムはタイトルがひらがなになった代わりに収録曲のタイトルがすべて漢字3文字である。

このアルバムが制作されたころのさだは、「関白宣言」、「防人の詩」のヒットの反動として「女性蔑視論者」、「右傾思想者」などとバッシングを受けたことや、映画『長江』制作での膨大な借金といった心労が重なって不振に陥っていた。

ライナーノートは1曲1枚の凝った作りだった『印象派』から一転して、文章4頁+写真2頁の簡素なものであった。デザイン的には『夢供養』を再現しているが、内訳は各曲の歌詩と解説文が2頁(1頁あたり5曲)、「邪馬臺」のライナーノート補遺として収録された『文藝春秋』(1980年6月号)掲載のエッセイが半頁、総括解説(さだの他、川又明博、山下有次、福田郁次郎、服部克久が執筆)が1頁半であった。2頁分の写真は中国で撮られたものである。

Default