マタドール/ケニー.ドーハム

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「静かなるケニー」に代表される静的で端正なケニーのイメージと、「アフロ・キューバン」に代表される熱血ラテン・アフロの動的イメージの、これがちょうどいい配分の名盤。主にブルーノートで発表していた時期だから、本作は自分は盲点で、ようやく入手。ブルーノート系のジャッキー・マクリーンとボビー・ティモンズの参加が嬉しく、ドラマーはドルフィーと時々やってた人ですね。なかなかの豪華布陣。

やはり、「エル・マタドール」、必殺のラテン・スパニッシュナンバー一撃でノックアウト。ラテンはラテンでも、アフロ、ラテンアメリカ系の熱気とはまた一味違う、エキゾチックでありながら端正なメロディと、5拍子の変則性がカッコよすぎ。5拍子のエスニック系といえば、ダスコ・ゴイコヴィッチの「マケドニア」を思わせるが、ボビー・ティモンズがファンキーさも加味しているのもミソ。

マクリーンの2曲目も、あいかわらず良く、本作のクオリティに貢献。後半やや落ち着いて「静」のムードも出すのもバランスが取れていて良し。典型的ブルーノートの吹き出るような音圧ではないが、音質は良好。ジャケもこの時代には珍しいモダンで、ミュージシャン名、タイトルもないのが斬新。お得な一枚です。

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