ポートレートインジャズ/ビルエバンストリオ

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可憐な少女の舞いを想起させる。
2021年12月31日に日本でレビュー済み
ビルエバンスは当時ビバップが中心だったジャズに美という革命をもたらしたジャズメンだ。また、その音楽は美しく内省的と評されており、ルーツはクラシックにあるとされている。特にエバンス特有の和音の構成は20世紀を代表する作家ラヴェル、ドビュッシー、ラフマニノフ、プロコフィエフから影響を受けているとされている。
 翻って本作は言わずと知れた名盤であるカインドオブブルーの影響下にあるピアノトリオの傑作である。ピアニストのエバンス、ベースのラファロ、ドラムのモチアンによる即興はインタープレイと呼ばれており、その音楽性からスリリングさと同時に可憐な少女のような美しさそして儚さを感じずにはいられない。
 前述したようにエバンスはジャズに美をもたらし、それはキースジャレット、フレッド・ハーシュ、ブラッド・メルドー、シャイマエストロへと受け継がれていく。

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