51回目の日記 筒美京平逝去

初版 2020/10/20 09:26

改訂 2021/09/15 03:31

 ここのところ、この「モノ日記」の欄に投稿する頻度がさらに下がり、かつ自身のコレクションに関することではない題材を取り上げることになっているのが心苦しいのですが、それでも表題の件については触れざるを得ない、というのも、氏の活動の最盛期の果実をそれなりに享受した身にとっては避けられないだろうという思いで、訃報より少し経過してしまいましたが認めていきたいと思います。

 日本の歌謡史に燦然と輝く業績を残された作曲家の筒美京平氏が今月(2020年10月)7日に逝去されました。享年80歳。その業績や代表作などについてはすでに報道されているものを観ることもあるでしょうからここでは特記しません。

 今でこそ私は自身のミュージアムの自己紹介欄に「映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛する」としており、それには偽りはないのですが、そのように趣味が固まりだしたのは劇場で映画を観るようになり始めた70年代の終盤からであり、それ以前や映画を観始めの頃の時期は、例えばTBSテレビの『ザ・ベストテン』を毎週楽しみに観るなど、邦楽にどっぷりと浸かっていました。ですので、筒美京平氏の曲はそれこそ空気のような存在であり、加えて吸収力の高い10代でしたから、そのいわゆる「筒美節」とも言える、彼独特の響きが知らない間に身に付いてしまっていたようです。もっとも、そんなことはその当時から自分が40代になるまで認識していなかったのですが、ある曲を偶然聞いたことで、認識することとなりました。

 今から12年前の2008年の秋のとある夜のラジオ、その番組でコメンテーターを担当していた評論家の宮崎哲弥氏が御自身のリクエスト曲という形でかけられたのが、中川翔子嬢の『綺麗ア・ラ・モード』で、実際にオン・エアされる前に宮崎氏が「作詞:松本隆、作曲:筒美京平のゴールデンコンビによる作品、そして御自身の琴線に触れた楽曲で、その後者のことを実際に中川嬢本人に話したところ、宮崎氏と同年代の人々から同じようなことをよく言われている、と答えた」という旨の紹介をされていました。そしてその楽曲を聴いたのですが、私の琴線も大いに刺激してくれました。要するに、この「琴線」のかなりの要素が前段で述べた、いわゆる「筒美節」とも言える、彼独特の響き、という認識だったわけです。どこかに70~80年代への懐かしさも感じましたしね。

 ここでは、この楽曲を収録しているCD+DVDのジャケットを添付させて戴きます。

 https://www.youtube.com/watch?v=a-w9cmSpHQs


#筒美京平 #松本隆 #中川翔子 #綺麗ア・ラ・モード #CD+DVD #思い出

 映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛するwoodstein(ウッドスタイン)という者です。それ故、必然的にCD、レコードコレクターであり、他人にその保有数を告げると、殆どの場合、引かれてしまうという困り者です。自分でもコレクションを把握できていないという体たらくでして、この場を通じて、実情を解き明かしていこうと目論んでいます。

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    kyusha_fan

    2020/10/20

    本当に偉大な作曲家でしたね。よくも1人の人間があれだけのヒット曲を量産出来たものだと思いますね。アーチストの代表曲に筒美京平氏が関わってる事が実に多いこと。
    ご冥福をお祈りします。

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      woodstein

      2020/10/25

       kyusha fanさん、コメント有難うございます。返事が遅くなって申し訳ありませんでした。よく「職業作曲家」という修飾語が筒美氏には付されているようですが、その語から連想される、いわゆる職人肌、という範疇を超えた芸術性も兼ね備えていた存在だとも思っています。

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      kyusha_fan

      2020/10/25

      話は少しそれますが、私がとても尊敬してるカーデザイナーに「ジョルジェット・ジウジアーロ」氏がいます。余りに有名なカーデザイナーで日本車も多く手掛けました。私が好きなカーデザインをいくつか挙げるとかなりの確率でこの方のデザインによるものが多い事に気付かされます。VWゴルフやランチアデルタ、フィアットパンダのような直線基調の車があるかと思えば、全く違った丸いラインのアルファロメオGT1600ジュニアやいすゞ117クーペなとも手掛けています。何が言いたいのかと申しますとこれって同じ人がデザインしたのか!と驚きを隠せないのです。なんと頭が柔軟なのかと。筒美京平氏も同じで曲のイメージが全く異なる曲を後になって筒美京平氏の作品だと知った時にその才能に驚かされるのです。

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    自動車生活記念館

    2021/09/04 - 編集済み

    筒美京平氏の曲はバックに流れるストリングスが流麗でうっとりします。

    弘田三枝子さんやいしだあゆみさんの曲なども聴き入ってしまいます。

    私も映画音楽やイージーリスニングが好きでCDでですが楽しんでいます。

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      woodstein

      2021/09/15

       自動車生活記念館さん、コメント有難うございました。返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
       さて、弘田三枝子の曲は少し時代が前なので『人形の家』くらいしか知りませんが、これは筒美氏の作曲ではないので何とも言えません。そして、いしだあゆみですがこっちも『ブルー・ライト・ヨコハマ』くらいしか知らないので、自動車生活記念館さんの仰ることが実感できなかったのが残念です。
       サントラ盤の展示ですが、同展示すべきかなかなか考えが定まりません。でも、何とか年内には緒に付きたいと思っています。

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