51回目の日記 筒美京平逝去
公開日:2020/10/20
ここのところ、この「モノ日記」の欄に投稿する頻度がさらに下がり、かつ自身のコレクションに関することではない題材を取り上げることになっているのが心苦しいのですが、それでも表題の件については触れざるを得ない、というのも、氏の活動の最盛期の果実をそれなりに享受した身にとっては避けられないだろうという思いで、訃報より少し経過してしまいましたが認めていきたいと思います。
日本の歌謡史に燦然と輝く業績を残された作曲家の筒美京平氏が今月(2020年10月)7日に逝去されました。享年80歳。その業績や代表作などについてはすでに報道されているものを観ることもあるでしょうからここでは特記しません。
今でこそ私は自身のミュージアムの自己紹介欄に「映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛する」としており、それには偽りはないのですが、そのように趣味が固まりだしたのは劇場で映画を観るようになり始めた70年代の終盤からであり、それ以前や映画を観始めの頃の時期は、例えばTBSテレビの『ザ・ベストテン』を毎週楽しみに観るなど、邦楽にどっぷりと浸かっていました。ですので、筒美京平氏の曲はそれこそ空気のような存在であり、加えて吸収力の高い10代でしたから、そのいわゆる「筒美節」とも言える、彼独特の響きが知らない間に身に付いてしまっていたようです。もっとも、そんなことはその当時から自分が40代になるまで認識していなかったのですが、ある曲を偶然聞いたことで、認識することとなりました。

今から12年前の2008年の秋のとある夜のラジオ、その番組でコメンテーターを担当していた評論家の宮崎哲弥氏が御自身のリクエスト曲という形でかけられたのが、中川翔子嬢の『綺麗ア・ラ・モード』で、実際にオン・エアされる前に宮崎氏が「作詞:松本隆、作曲:筒美京平のゴールデンコンビによる作品、そして御自身の琴線に触れた楽曲で、その後者のことを実際に中川嬢本人に話したところ、宮崎氏と同年代の人々から同じようなことをよく言われている、と答えた」という旨の紹介をされていました。そしてその楽曲を聴いたのですが、私の琴線も大いに刺激してくれました。要するに、この「琴線」のかなりの要素が前段で述べた、いわゆる「筒美節」とも言える、彼独特の響き、という認識だったわけです。どこかに70~80年代への懐かしさも感じましたしね。
ここでは、この楽曲を収録しているCD+DVDのジャケットを添付させて戴きます。

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