グリーンジルコン

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ジルコンにはロー・ジルコンとハイ・ジルコンとその中間の異なるタイプがあります。
 ジルコンの主要元素であるジルコニウムはしばしば一部がウランやトリウムなどの放射性元素によって置き換えられています。
これらの放射性元素は、核分裂を起こし、鉛へと変って行きますが、その過程で放射されるアルファ線やガンマ線等が長い期間にはジルコンの結晶格子を傷つけて格子欠陥を引き起こします。
 更に,例えばウラン235の分裂で生成されたセシウム137、ネオジウム147、ルテニウム106,ストロンチウム90等の質量の大きな原子核や中性子は高いエネルギーでジルコンの結晶内を走って、フィッション・トラックと呼ばれる長い傷跡を残します。 
数億年~30億年もの長い間、こうした高エネルギーの放射に曝されつづけたジルコンの中には結晶構造が殆ど破壊されてしまいますが、そのようなジルコンはメタミクトジルコンと呼ばれます。
 結晶構造が破壊されているために比重,屈折率等が著しく小さくなるので、これらの価が低いためにロー・ジルコンとも呼ばれます。
緑色はメタミクト(metamict)可されたジルコンです。結晶構造が破壊されているために、光が内部で乱反射されるため、透明度にかける潤んだような光沢を示します。

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