ドイツ南方軍集団<完全版> Army Group South

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1941年6月22日、南方軍集団は東部国境を越えてソ連領内へと侵攻を開始し、ソ連赤軍を相手とする4年間もの熾烈な戦争の幕が切って落とされた。暗号名”バルバロッサ”と名付けられたこのソ連侵攻作戦は、北方及び中央軍集団の戦区に於いては目覚ましい戦果を挙げることに成功したものの、南方軍集団に所属するドイツ軍将兵たちは、ウクライナの平原で当初の予想をはるかに上回る数のソ連軍部隊と遭遇して苦戦を強いられることとなった。ソ連の独裁者スターリンは、予備の戦車兵力を集中的にこの地域へと配備しており、赤軍は十分な数の反撃兵力を投入してドイツ軍の進撃を遅らせることができたからである。
しかし、この赤軍の善戦も長くは続かなかった。中央軍集団の戦区の装甲部隊が、スモレンスク方面から大きく南下したことでキエフ周辺で防衛線を築いていたソ連赤軍の大兵力が包囲されたのである。赤軍はこの戦いで60万人以上の捕虜を出すという壊滅的な敗北を喫し、南部での戦況はドイツ側に大きく傾いたかに見えた。だが、冬将軍の到来とともにドイツ軍の進撃は停滞し、要衝ロストフを占領したところで遂にソ連軍の冬季大反攻が開始され、東部戦線の前線は大きく西方へと引き戻されてしまった。
これ以降、東部戦線の焦点は南方軍集団戦区へと移行し、戦史に残る幾多の激戦が繰り広げられていった。スターリングラードで大勝利を得た赤軍は、その余勢をかって1943年春にハリコフの奪還を目指す”星作戦”を開始、1944年の1月にはコルスン周辺のドイツ軍に対する大包囲作戦を展開した。ドイツ南方軍集団の将兵たちは、休む間もなくソ連赤軍の攻勢に晒されながら次第に傷つき消耗していった…。
「ドイツ南方軍集団<完全版>」は、1979年にSPI社から発売された「Army Group South」の再販です。
同じ基本ルールと少しのシナリオ毎の特別ルールでプレイできるが、マップもユニットもそれぞれ専用の「キエフ」「ロストフ」「星作戦」「コルスン」の4つのゲームが収録されています。SPI社は当時この同じルールで遊べる複数(4つ)のゲームを収録して発売するタイプ、”クワドリ”というゲームを発売していました。その中でもこの「Army Group South」と、中央軍集団と北方軍集団を扱った「Army Group Center」「Army Group North」は、人気の東部戦線を扱ったプレイアブルなシリーズとして人気が高かったと記憶しています。
システムは安定のPGGシステムを採用しており、ドイツ軍装甲部隊の電撃的なオーバーラン、司令部に拘束されて柔軟な対応ができないソ連軍、実際に戦闘に参加するまで正確な戦闘力がわからない、など、両軍の能力上の特徴を見事に再現しています。名作です。
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#アーミーグループサウス
#オペレーションスター

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