郵便「はがき」じゃなくって「はかき」

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なんか普通の郵便の消印のように押されてるスタンプですが、参急電車と記してあるように、これは鉄道のスタンプです。

参急は参宮急行電鉄の略で、桜井駅から中川(現在の伊勢中川)を経由して宇治山田に至る現在の近鉄大阪線、山田線、さらには中川から津に至る現在の近鉄名古屋線の一部を運営していた鉄道会社。
参急と名乗ってはいましたが、上本町-桜井間などを運営していた大阪電気軌道(大軌)が設立した会社で、昭和16年には合併して関西急行鉄道(関急)となってます。
さらに関急も大阪鉄道(大鉄=現在の近鉄南大阪線、吉野線)を昭和18年に合併、さらに昭和19年には南海とくっついて近畿日本鉄道(近鉄)となりました。

なお、関西急行鉄道(関急)とは別に、関西急行電鉄(関急電)って会社もありました。
津から桑名までは伊勢電鉄って会社が線路を敷いたのですが、無理がたたって参急に合併され、桑名から名古屋まで線路を延ばすために大軌がつくった会社が関西急行電鉄で、これは現在の近鉄名古屋線ということで、結局は何でもかんでも近鉄になったのです!

何が何やら(汗)

で、それは置いといて、今回のはがき、じゃなくって「はかき」。

今では郵便の葉書きは「はがき」と読みますが、大昔は「が」じゃなくって「か」、すなわち「はかき」と呼んでいたらしいのです。
「書き」は「がき」でも「かき」でも、どちらも読み方としては正しいですもんね。
日本で官製はがきができたのは明治6年とのことなので、きっとこのときから「はかき」と表記されていたんじゃないかと思うのですが、この方面は詳しくないので確証はありません。

ただ、表記が「はがき」に変わった時期は昭和8年の2月だそうで、これだけは確かなようです。
今回のスタンプは昭和7年なので、「はがき」でなく「はかき」になってますね。
手持ちのものを調べたら、昭和8年2月以前に押印された葉書きは確かに全部「はかき」でした。

もちろん、いつの時代にも物持ちのいい人はいますので、昭和10年代のスタンプでも「はがき」でなく「はかき」に押印されているものは、ちょくちょく見かけます。

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