特殊な場所のベビーゴルフ

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昭和10年頃はゴルフがブームだったようで、手軽に楽しめるベビーゴルフ場も流れに乗ってあちこちにできたらしいです。
本格的なゴルフは流石に広い場所が必要ですが、ベビーゴルフはパターゴルフという呼び方もあるように、飛距離の必要ないものなので、日比谷や渋谷、神田、牛込、兜町といった街中にも結構あったそう。

このマッチラベルは大井にあったベビーゴルフ場で、名前は乙女ゴルフ場。
女の人がベビーゴルフに興じている当時の写真はそこそこ見かけますが、この「乙女」という施設名は場所柄、なかなかに意味深かも。

所在地として大井三業地角とありますが、三業地は芸者置屋、料亭、待合という3つの業態が狭い一角に密集している場所の呼び方で、要するに花街ですね。花街は遊郭です。
大井三業地は京急の大森海岸駅の西側にあったそうで、確かに大森といえば海水浴場やら潮干狩りができた場所とはいえ、そういったレジャーの帰りに女性客が線路を越えて寄るとは考えにくく、いやむしろ近寄りがたい場所だったと思うので、この「乙女」とは、芸妓や遊女とその客を主なターゲットとして営業してたんじゃないかなあと、いろいろ類推しております。

三業地の跡地は今ではマンションだらけになってます。

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