Henninger-Bräu #3 Export ( Märklin / HO )

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独メルクリン社製HOゲージのビール貨車、フランクフルト市での限定500セット「ヘニンガー醸造所 ビール貨車3両セット」から、ヘニンガー「Export」ビールの広告貨車になります。

エキスポートというビールはドイツのビールの種類(スタイル)の1つでして、その名のとおり元は「輸出」を考えて作られたビール。下面発酵ビールの1種ですが、まだ冷蔵装置が普及していないような時代に長期の輸送中に傷まないよう、アルコール度数を高めに、そしてホップの量をやや多めにして醸造されており、それが製造元の地元でも飲まれるようになったものです。
その後、冷蔵装置が発達し同じく下面発酵のスッキリとしたピルスナーが普及し、現在ではピルスナーのほうが世の中に広く普及しています。

伝統的なエキスポートはドルトムンター(独ドルトムント)、ミュンへナー(独ミュンヘン)、ウィンナー(墺ウィーン)の3種類が有名で、このヘニンガー・エキスポートのように、その他の地域でも、自社の商品の中で強めのアルコール度数で作る下面発酵ビールに「エキスポート」と冠して売られているものも多数あります。

この貨車の側面、ラベルの絵の横には「Echt, rein und würzig.」とドイツ語で書いてありますが、これは「本当に、純粋で風味豊か…。」という意味のようですネ。

模型は西ドイツ時代のMade in Western Germany(W…とG…の間にスペースあり)の製品、屋根上のベンチレーターは左千鳥配置です。

限定品のレア・アイテムなのですが、他商品とのまとめ買いにより一箱で3,900円と安く手に入れることができました(^^)v

※以下は先日登録した#1と#2と同じ内容ですが、、、

この醸造所、ドイツ中部に位置するヘッセン州の南部の都市、フランクフルト市のザクセンハウゼン地区にある醸造所で、かつてこの年のシンボルであった「ヘニンガー・タワー」というサイロ兼展望台の高さ約120mのタワーがあることで有名でした。

タワーは1961年に完成、2002年に消防法の規制(緊急時の避難ルートが足りないとの指摘)により展望台の使用が不許可となり、2013年にタワーは解体されますが、その跡地には元のタワーの形を模した高さ140mの高層マンション「ノイ(新)ヘニンガー・タワー」が建てられています。

また、1962年以来、このタワー周辺では自転車レースも開催され人気を博していますが、シンボルのタワーがなくなった今もレースは続けられています。

ヘニンガーの起源は、
エバーハルト・シュタインにより1655年に設立されたシュタイン醸造所、それから約230年後の1873年、ニュールンベルグの醸造家のハインリヒ・クリスチャン・ヘニンガーがシュタイン醸造所に加わり経営に参加し、社名にヘニンガーの名前が入り、その後の幾多の変遷を経て、1935年からHenninger-Bräu AGという名前はになりました。

戦後は米軍向けに缶ビールを製造するなどして商売を拡大、前述の通り巨大なタワーを建てたり大規模な自転車レースのスポンサーになるなど、また、ビール大手のJever傘下に入れるなどを経営は拡大、「カイザー・ピルスナー」が看板商品でしたが、その後の経営の失敗により売れ行きは徐々に低下(需要の減少にも関わらず値上げを断行、それが命取りだったとか)、、、1999年に株式は投資家に買い取られ製造は停止、2001年、ブランドの商標権は同じフランクフルトのライバル会社だったBinding醸造会社に売却され、伝統あるヘニンガー社は消滅したのでした。

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