卍くずし文赤縁ラッパ形氷コップ

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ラッパ形の杯部を持つ氷コップで、赤縁に「卍くずし文」と呼ばれる角ばったS字形の暈し模様がある。
ウランガラスの脚、赤縁、乳白暈しの三色氷コップは当時流行したものらしく、数多く見られる。
中でも暈し模様は多くのバリエーションがあり、水玉文、七宝つなぎなどポピュラーなものから、「雪解け文」や「鼓文」のように珍しいものなど様々である。

「赤」「白」「黄緑」の三色は三色団子に代表されるように、日本人にとって親しみ深い配色であり、氷コップを代表する色の組み合わせである。
脚部はどっしりと太く安定感がある。このように太脚のものは大阪で作られたとみる向きもあるが、はっきりしたことは分からない。
通常、大正・昭和初期に製作された氷コップにはフット裏面にポンテ跡と呼ばれる、成型時に竿を取り付けた際の痕跡がある。
昭和初期の黒脚氷コップの一群を除き、ポンテ跡を研磨処理するものは当時の高級品とされている。
この作品もポンテ跡は研磨処理となっている。

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