ノベルティコップ「布引タンサン水」

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兵庫県西宮市にある布引礦泉所で戦前製造されていた布引タンサン水のノベルティコップ。
宙吹きで非常に薄造り。ガラス質は消色剤のマンガンを多量に含み黒味がある。

プリントには布引礦泉所のマークである馬蹄印を中心に「NUNOBIKI TANSAN」の商品名がある。また、これらを囲むように王冠栓が描かれ、その周囲には小さく「PATENT 4008 MARCH 1900」とある。国内特許番号4008は「栓壜装置ノ改良」で、1901年11月に成立した国内初の王冠栓特許である。国内の清涼飲料に対する王冠栓の使用は、1899年の金線サイダーを皮切りに、1900年には王冠栓が多く輸入されて以降、普及したとされている。MARCH 1900について、布引鉱泉所設立が1899年であることもあり、同社製品の王冠栓使用が1900年3月ということも考えられるが、確証はない。いずれにせよ、このコップには王冠という画期的な新発明品の使用をアピールする狙いがあったものと考えられる。【R2.5.25追記】

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