大太鼓形(昭和大礼)

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昭和3年(1928)の昭和天皇即位関係では合計4種のボンボニエールが用意された。
昭和天皇の即位の礼は、昭和3年(1928)11月10日に京都御所で行われ、14日~15日に大嘗祭、16日と17日に大饗の儀が行われた。大饗の儀は、仮設の饗宴場で行われ、第2日目の大饗第二日の儀で「大太鼓形」、夜宴の儀で「灯籠形」、さらに、12月7日、8日、10日、11日の4日間催された東京での宮中饗宴では、「鉾形」のボンボニエールが下賜された。
また、これらとは別に、12月18日、19日の大礼関係者御慰労のための午餐では「舞楽兜形」ボンボニエールが下賜された。
これらのボンボニエールの意匠は、それぞれ大嘗祭で用いられる、調度、楽器、舞楽衣装をモチーフとしている。
なお、大饗第一日の儀では、ボンボニエールは用意されず、花挿が下賜されている。

大太鼓形 ボンボニエール
昭和大礼大饗第二日の儀(昭和3年(1928)11月17日)
 4.5×4.4×11.1
銀製、刻印「純銀服部製」

★大太鼓は太鼓を囲むように巨大な火焔形の装飾があるため、「火焔太鼓」とも呼ばれ、火炎の上方中央からは1本の棹が伸びており、舞台に向かって左側(下手)の大太鼓には太陽を表す装飾が、向かって右側(上手)の大太鼓には月を表す装飾がある。このボンボニエールは二つ巴と鳳凰の図柄から一対のうち右側(上手)の大太鼓を象ったもの。

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